1月1日に発生した能登半島地震。7日午前で死亡者126名、安否不明者220名を数える。昼夜を徹して懸命の救出活動が続けられているが、今後は大雪の予報も出ており、活動の難航が予想されている。
そうしたなか、6日に馳浩石川県知事が災害対策本部会議で県としての「非常事態宣言」を発令、「能登を救うため職員全員で対応する」と明かした。この宣言はどのような内容なのだろうか。
「県庁職員向けの宣言です。『未曾有の大災害なので、全職員一丸となって自分の担当以外の業務にも積極的に携わるように』ということです」(県庁関係者)
被害が大きい自治体への職員派遣や、国や自治体との連絡調整を担う職員を増やすなどの対応を進めるそうだ。
馳知事も自身のX(旧ツイッター)に《職員全員がこの災害に対応する体制をとることとした》と意気込みを記していた。また、コロナ禍のとき、総理大臣が発出した「緊急事態宣言」では私権の一部が制限されたりしたが、今回はそのようなことはないという。
しかし、発生から5日たっての発令に、ニュースのコメント欄には、
《人命がかかっているのにスピード感の欠片もない。 遅くても2日の時点で非常事態宣言を出すべきだったろ》
《石川県知事は、6日の夕方に、やっと非常事態宣言を出す必要がある状況だと気付いたようだ》
《1/6に非常事態宣言? えっ!えっ!えっ! 聞き間違いかと思った 発災直後に非常事態宣言って言葉が浮かばなかった?》
など対応が遅いという批判が多かった。なぜこのタイミングの発令になったのか。それを推測させる文章が、知事のXに掲載されている。
1月6日に開催された「第13回石川県災害対策本部員会議」の「知事の主な発言」には、《先ほど、本県の災害危機管理アドバイザーの室崎先生からも、「想定を超えた災害であり、これまでの経験則を超えた大胆な対応が求められる」とのアドバイスをいただいた。こうしたことから、能登を救うために、県庁としての非常事態を宣言し、一部の職員に負担が掛からないよう、職員全員が災害対応を行う体制にすることとした。》とある。
知事は外部識者の意見を踏まえて宣言を発令したようだ。それまでは、頭の片隅にも「非常事態宣言発令」はなかったということなのか。
「確かに『非常事態宣言』は法的な強制力などはともないません。言ってみれば『決意表明』です。しかし、災害時にはリーダーがこうした力強い意思と素早い行動を国民に示すことが大事なはずです。岸田首相にも馳知事にも、明らかにそれがありません」(政治担当記者)
地震発生当時、東京にいた馳知事は、すぐさま陸上自衛隊に災害派遣要請をしたが、そのときも《明朝、朝一での対応をお願いしています》とXに投稿。このことも「いまから救助に動かないでどうするんだ」と被災した県民を怒らせた。
「救えるはずだった命なのに……」ということだけはないようにお願いしたい。
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