11月22日におこなわれた「FIFAワールドカップ カタール2022」のグループリーグC組の第1節では、大方の予想を覆して、サウジアラビアが2対1でアルゼンチンを下す “大金星” をあげた。
試合はアルゼンチン代表FWのリオネル・メッシがPKを決めて先制。しかし、後半開始直後にサウジアラビアがカウンター攻撃から、FWのサレハ・アルシェハリがシュートを決めて、同点に追いつく。
その5分後に相手ペナルティエリア付近でこぼれ球を拾ったサウジアラビアFWのサレム・アルダウサリがシュートを決めて逆転し、そのまま試合終了となった。
ただ、サウジアラビアの2点めのゴールに一つの “騒動” が起きていた。このとき、センターライン付近にいたメッシは逆転劇に肩を落とした。すると、そこにサウジアラビアDFアリ・アル・ブライヒが近づき、何やら言葉をかわしたのだ。
イギリス紙「デイリー・メール」によると、試合後にブライヒ本人が「お前は勝てない。お前は勝てないんだ」とメッシを挑発したことを明かした、という。
メッシは、11月22日の試合前、公式Instagramに「ワールドカップが始まります」とのメッセージとともに、過去の代表戦での自身のプレー映像をまとめた動画を投稿していた。試合終了後、このアカウントには多くのサウジアラビア国民が訪れた。
だが、そのコメント欄にはアラビア語の “煽りメッセージ” が大量に書き込まれている。
《上がサウジアラビア、下がアルゼンチン》
《あなたはまだ顔が下がっている》
などのほか、サウジアラビア国旗の絵文字を連投する “荒らし” のようなメッセージも多い。
サウジアラビアのサポーターの熱狂さについて、サッカー担当記者がこう話す。
「アジア最終予選でも、たびたび “挑発” は見られました。2021年10月、サウジアラビア対日本代表の試合で、柴崎岳のパスミスにより、日本が失点して敗戦したんです。
日本代表主将の吉田麻也が試合後のインタビューを受けようとしたところ、スタンドからサウジサポーターが挑発してきたため、激怒。付近の柵に手をかけ、応酬するほどのブチギレでした。
その後のインタビューで、吉田は『差別的な表現があった。受け入れがたいものだった』と明かしていました」
ただ、この試合では、失点のきっかけを作った柴崎のInstagramに、アラビア語以上に日本語で誹謗中傷メッセージが多数寄せられる事態も起きた。
いずれにしても、言葉で誰かを傷つける “残念な煽り” はなくなってほしいものだ。
写真・JMPA
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