「ご通行のみなさま、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。我々、そごう・西武労働組合は本日、ストライキをおこなっております」
8月31日、そごう・西武の労働組合によるストライキが決行された。午前中から、西武池袋本店前では組合員によるビラ配りや、代表者がストライキに至った経緯を、道ゆく人々に語りかける光景が繰り広げられた。
このストライキにより、西武池袋本店で働く約900人が終日、勤務をせず、同店は全館臨時閉館となった。大手百貨店でのストライキは、1962年の阪神百貨店以来、61年ぶりとのこと。同日放送の情報番組『ひるおび』(TBS系)では、西武池袋本店の歴史を振り返りつつ、長い時間を割いて、この話題を取り上げた。
今回、そごう・西武の従業員の労働組合は、雇用維持が不透明なままでの百貨店そごう・西武の売却をめぐり、ストライキの実施に至ったが、そのさなか、親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)は臨時の取締役会を開き、そごう・西武を9月1日に米投資ファンドに売却することを決議した。売却先は、家電量販大手のヨドバシHDと連携する、フォートレス・インベストメント・グループで、近く正式発表される見通しだ。
「今回の売却によって、西武池袋本店には、ヨドバシカメラの直営スペースが大半を占める改装プランが打ち出されています。とはいえ、池袋駅東口にはすでにビッグカメラやヤマダデンキLABIなど、大手家電量販店が林立していることもあり、住民からは『ヨドバシカメラはいらない』という声も多くあがっているようです」(家電ライター)
今回のストライキに、SNSやネットニュースでは、
《西武デパート愛好家としては、ストライキ支持》
《日本はストライキ=迷惑という風潮があるが、権利を主張する事は大切》
《このストって意味あるのかな 結局は売り飛ばされるわけだろ》
など、さまざまな声があがっていた。
西武池袋本店は1940年(昭和15年)に開業して以来、池袋のシンボル的な百貨店であり続けてきた。ビックカメラの公式CMソングでは、池袋駅東口に「西武」が、西口に「東武」があることを不思議がる歌詞がある。その一角が大きく変わるとしたら、多くのブクラー(池袋民)が悲しむに違いない。
外部リンク