「今年はいわば“コロナという厄”年だったわけです」と風水カウンセラー。厄年と聞けば、“悪くても仕方のないもの”と、じっと耐え忍ぶしかないのだろうか? まだしばらく長引きそうなコロナ厄を賢く乗り切るためのコツを聞いたーー。
「確かに今年は“コロナ厄”だと申し上げました。でも、そもそも“厄は悪い”だなんて、誰が言い始めたんでしょうね?(笑)」
意外な切り口で話し始めたのは、『厄を味方につける本』(光文社)の著者で風水心理カウンセラーの谷口令さん。これまで3万件以上の厄を払い、幸せを導いてきた。
「どんなことでも“悪い”“不幸になる”と言って人々の恐怖心をあおれば商売になるし、ただそれだけのことだと思います。たとえば、おみくじの『大凶』にも“上昇運に乗っている証拠で、うまくいっているときほど大事なことがおざなりになるので注意”という意味があるように、悪い側面ばかりではありません。自身のとらえ方しだいで、不吉は大吉に転じえるものなのです。厄というのも同じように、人生を見つめ直し、気を引き締め、新しく開けていく未来に向かって力をためるとき。言ってみれば、ひとつの転機です。人生は本来、定期的に立ち止まって見直さないと、変化・成長していかないし、運も上向いていかないので、必要不可欠な時期なんですね」
今回のコロナ禍は、私たちに強制的に転機をもたらした。
起きてしまった事象は、後戻りができない。気に病んでも何も変わらないのなら、みずからの考え方や行動を合わせていくのみだ。
「人は基本的に変化を恐れるので、切羽詰まらないと行動を変えません。でも、アクションを起こすと確実に何かが変わります。私も今回のコロナ禍で必要に迫られ、初めて風水オンラインセミナーに挑戦したんです。対面でのセミナーがすべて中止になってしまって仕方なく始めたことでしたが、ふたを開けてみれば、これまでならお目にかかれなかったであろう、地方や海外の方も多く参加してくださって。“今が底”なのであれば、いっそのこと、ずっとやりたかったことに挑戦するのもいいですね」
とはいえ、ただでさえ気が滅入りがちな今は、慎重になって当たり前。これまで意識したこともなかった仏滅などの“厄日”さえ気になってしまう、という人も多い。
「厳密に言えば、人それぞれに厄年、厄日は存在します。けれど、それは生年月日から割り出すのでタイミングはバラバラです。暦上の六曜は、仏滅も含め定期的に訪れますよね。それは“6日に一度、生活を見直しましょう”と言っているだけのことです。人って不思議なもので“悪い”と言われたほうが用心するぶん、安心できる傾向があって、つい縁起の悪い日にばかり目を向けてしまいがち。でも、それで気落ちするくらいなら、『一粒万倍日』や『天赦日』などの縁起のいい日を積極的に意識して、行動しませんか」
■2020年11月・12月の一粒万倍日
【11月】2日(月)、14(土)、15日(日)、26日(木)、27日(金)
【12月】10日(木)、11日(金)、22日(火)、23日(水)
■2020年11月・12月の天赦日
【11月】1日(日)、17日(火)
【12月】なし
「それでも気分がふさいで前に進めないときは、“セルフ厄払い”がおすすめです」
■「セルフ厄払い」
【旬の食材をいただく】
今の時季なら栗、柿、サンマなど、生命力に満ちた旬の食材は、体内に取り込むことで、みずからにも好影響をおよぼす。
【赤いものを視覚に入れる】
邪気を払う力の強い赤色。視覚から入る情報は意識に届きやすいので、マニキュアをしたり、部屋に花や実を飾ってもよい。
【髪を整える】
体のなかで邪気がたまりやすいのが髪。好きな香りで洗ってリフレッシュするほか、毛先だけでも切ることで厄が落ちる。
【自分にとって大事なことにお金を使う】
お金も運もめぐらせるもの。趣味、食事など、自分にとって栄養になることは? そこにお金を“払う=祓い”になる。
【体をさする】
「ありがとう」と言葉をかけながら、肩や頭、足を優しくさすろう。疲労感とともに厄が払え、細胞から元気に。
【寝る前に感情を吐き出す】
心温まる映画やドラマを見たり読書をして、泣き、笑おう。よどんだ気が流れ、心が浄化される。翌日の始まりもさわやか。
「厄とはある意味、日常生活でまといがちな“ネガティブな気”の蓄積。そのホコリをつどつど払って、コロナ厄を乗り切るメンタルを維持しましょう」
「女性自身」2020年10月20日号 掲載