《ウーバーイーツ?って頼んだことないんだけど、配達してくれる人の服装の清潔感とかサンダル履き禁止とか自転車の汚れ方とかについてのルールはないみたいだね。》
8月31日、Twitterでこう呟いたのはコピーライターの糸井重里氏(72)。料理宅配代行サービス「Uber Eats」の配達員の身だしなみに疑義を呈したこの呟きが、“大炎上”している。
「Uber Eats」の公式HPに記載されている配達員向けのガイドラインを見ると、客との不適切な接触や差別的な言動を禁じる項目はあるが、確かに服装についての具体的な指示はないようだ。
とはいえ、今年6月にバラエティ番組で今田耕司(55)が宅配代行サービスの配達員に対して「汗だくの汚い配達している人を見たときに『イヤやな』って思って」と発言し、批判を浴びたばかり。糸井氏はそのことを知らなかったのだろうか。
糸井氏がなぜ配達員の清潔感に疑問を投げかけたかは明かされていない。しかし、サービスを利用したことのない糸井氏の突然の疑問には、“上から目線”と批判が殺到する事態となった。
《糸井重里、骨の髄まで「上級国民病」なんだな。さよなら‥》
《糸井重里氏のUEについての迂遠なダメ出しtweetを今確認した。彼の言動はだいぶ前から「お金持ち仕草」になってて、富裕層の高齢者からは賛同を得られるのだと思う。原因は判らんけども、彼のイメージする社会には貧困層がいないことになってるっぽい。一億総中流は、だいぶ昔に終わったというのにね》
いっぽうで糸井氏を擁護する人も決して少なくはなかった。配達員が食品を扱うことへの“自覚”を問う声が相次いだのだ。
《糸井重里のウーバー配達員の清潔感の無さに文句つけた件、仮にも食品扱ってるんだし言われて当然では?それに対して「私は助かってます。酷い事言わないで!」だの「お金持ち仕草」だのズレてない?》
《糸井重里がウーバーイーツ配達員の清潔感の事話したら反感買ってるらしいけど、どう考えても飲食物運ぶんだから清潔感大事だろ。》
配達員を取り巻く賛否の声。しかし、彼らの“労働環境”は決して楽と言えるものではない。ある配達員はいう。
「『Uber Eats』は給料制ではなく成果報酬制。稼ぎたければとにかく多くの注文を受ける必要があります。たとえ台風であっても、注文を受ければ商品を絶対に利用者のもとまで運ばなくてはなりません。
また距離にもよりますが、一回の配達で得られる収入はだいたい500円前後と言われています。サービス登場当初は“稼げるバイト”なんて声もありましたが、楽に稼いでいる人はほとんどいません。糸井さんはサービスを利用したことがないそうですが、そのあたりの事情をご存知なのでしょうか」
糸井氏といえば、これまで“批判する人”を諌める発言を繰り返してきたことで知られている。
昨年4月に新型コロナウイルスの対応を巡って連日、様々な批判がネット上で渦巻いていた際は《わかったことがある。新型コロナウイルスのことばかり聞いているのがつらいのではなかった。ずっと、誰かが誰かを責め立てている。これを感じるのがつらいのだ。》《責めるな。じぶんのことをしろ。》などと呟いていた。
冒頭の投稿が炎上してからも糸井氏はTwitterへの投稿は続けているが、騒動についての言及はいまだない。自身の発言も“責めるな”ということなのだろうか。