白髪に黒いマスク姿で東京都内のイベントホールから出てきたのは木村拓哉(47)だった。
本誌が目撃したのは、10月中旬の夜。スペシャルドラマ『教場2(仮題)』(フジテレビ系)の撮影の終了後だった。朝から12時間あまり現場にいたにもかかわらず、木村の表情は厳しくひきしまり、気迫が伝わってきた。
「『教場2(仮題)』は今年1月に2夜連続で放送され、“木村拓哉の新境地”と評判になった『教場』の続編です。木村さんが演じたのは、警察学校の冷酷無比な白髪の鬼教官・風間。さまざまな役を演じてきた彼も老け役は初めてでした。視聴率は平均15%台と高水準で、すぐに続編の制作が決まったのです」(テレビ誌記者)
その日の撮影も終わっていたのに、なぜ“白髪の鬼”の姿のままだったのか。
「現在の木村さんは、撮影のため24時間白髪で生活しています。当日の撮影前にはヘアメークが、よりリアルな白髪に仕上げているそうです」(フジテレビ関係者)
木村本人は警察学校らしい雰囲気を作るための大切さについて9月27日放送のラジオ番組『Flow』(TOKYO FM)でこのように語っている。
《ほんとに大変な作業をして初めて撮影っていう状況になってるので…(中略)割とその(警察学校の)空気感が出来上がった状態で撮影にもっていけてるんじゃないかなっていうのは、今回もひしひしと感じてますけどね》
撮影に日々精魂を込めている木村だが、その原動力となっているのが、亡き仲間への思いだという。
「4月に『教場』を手がけたプロデューサーが急逝しています。木村さんも全幅の信頼を置いていました。コロナ禍だったこともあり、最後のお別れもできなかったそうです」(ドラマ関係者)
木村は、仲間への恩返しとして前作超えを目指し、役作りに一層こだわっているのだ。
「もともと鬼教官役ということで“生徒との緊張感”を大切にしていました。今回はさらに重要視しているため、木村さんが現場に現れると空気がガラッと変わるんです。
また、生徒役のキャスティングに関しても“なるべく共演したことがない人”という要望を木村さんが出しており、生徒役とはほとんど会話していないそうです。しかし、剣道のシーンでは木村さんが有段者であることから、生徒役の俳優たちに手取り足取り指導し、尊敬の眼差しを浴びていました」(前出・ドラマ関係者)
本誌が目撃した“凄み”さえ感じる木村の表情は、なんとしてでも今は亡き恩人に報いたいという決意の表れだったのだ。
「女性自身」2020年11月3日号 掲載