「もっと活躍したかったですが、今できる精一杯のことはやれたのでスッキリしています」
7月30日、競泳男子200m個人メドレー決勝後にこう語ったのは瀬戸大也選手(27)。3位のジェレミー・デプランシュ選手(26)とわずかの差で、惜しくもメダルを逃す結果となった。
東京五輪では3種目に出場し、金メダルを狙った本命の400m個人メドレーではまさかの予選落ち。続く200mバタフライは準決勝で敗退。残された200m個人メドレーの予選は、16位で通過するという危うさだった。
メダルには届かなかったが、レース終了後は「スッキリした」とのコメント通り晴れやかな表情を見せた瀬戸選手。200mバタフライの予選後に「ネットでいろいろなことを言われてむかつきます」とコメントした時の様子とは、まるで違ったという。
「瀬戸選手は“逆ギレ発言”の後、スマホを見ないようにするなど『気持ちを切り替えた』と語っていました。また200m個人メドレーの予選をギリギリで通過した瀬戸選手を心配して、昨春までタッグを組んでいたコーチが助言したことも大きかったようです。瀬戸選手の周囲は、『苦しむ彼をなんとか助けてあげたい』との思いだったといいます。
共に決勝に進んだ萩野公介選手(26)も、『大也と泳げるなんて、神様がくれた贈り物としか思えない』と感動を言葉にしていました。そういった仲間たちの存在が大きな励みとなって、瀬戸選手の行動やマインドに大きな変化をもたらしたのでしょう」(スポーツ紙記者)
■裏舞台では妻も奮起
メダルは逃したものの、最後には敢闘ぶりを見せることができた瀬戸選手。そのレースの裏では、もう一人奮闘していた人物がいた。妻の馬淵優佳さん(26)だ。夫のレース期間中もテレビ出演するといった多忙ぶりだった。
26日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)に出演した際は、「無観客で直接選手に応援が届かない分、SNSの言葉が今回すごく選手に届く」とコメント。その上で「まだ五輪は始まったばかり。SNSでも心温かい声援で応援してほしい」と呼びかけていた。
最終種目の予選があった28日に放送された、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)にも登場した優佳さん。番組では冗談を交えつつも「頑張ってほしい」と夫にエール。その一方で、瀬戸選手の合宿中に仕事と育児をこなす優佳さんの奮闘ぶりも公開された。
「瀬戸選手は女性問題でスポンサーが離れ、活動停止処分になるなど窮地に陥りました。優佳さんは大きなショックを受けましたが、『家庭を立て直したい』という思いも強かったようです。
現在は執筆業にコメンテーター、タレントなどマルチに活動しています。瀬戸選手のレース終了後も、スポーツ紙の取材に応じるなどしていました。一家の経済面を支えつつ、家では食事面をサポートすることで夫が再出発できるよう後押ししてきたのです」(前出・スポーツ紙記者)
「失敗からしっかりと学んで、感謝の気持ちと謙虚な気持ちをもって自分の夢に向かって3年間ひたむきに努力したい」と、24年開催のパリ五輪に向けて意気込みを語っていた瀬戸選手。仲間や家族とともに、新たな目標に向かって歩み始めている。