「娘が僕を救ってくれたんだ」と父が語る。心臓発作で倒れた場所は、生まれたばかりの娘が待つ病院内だった。
10月11日、カリフォルニア州に暮らすジョナサン・セディーヨさんは、地元のリバーサイド・コミュニティ病院を訪れていた。3日前に生まれたばかりの娘・ジュリエットと、妻を迎えにいくためだ。
ジュリエットは、予定日より1カ月も早産だったため、セディーヨにとっては慌ただしい出迎えとなった。その後、妻と病室でくつろいでいたとき、体に異変が起きる。胸に強い痛みが襲い、ベッドに倒れ込んだ。
当時の状況について病院は、「意識は朦朧としており、呼吸は浅く、数秒間息が止まってしまうこともありました。奥さまに付き添っていたナースはすぐ異変に気づきました」と説明している。
セディーヨさんはすぐさま救急室に運ばれ、治療を受けた。心臓発作により冠動脈の一部が完全に閉塞しており、かなり危険な状態だったが、早期治療のおかげで、無事、一命をとりとめた。
実は、セディーヨさんは以前から体調の変化に気づいていた。10月上旬には肩と腕に痛みを覚えている。痛みは徐々に強くなり、睡眠に支障をきたすこともあった。
だが、プロレスラーであるセディーヨさんは、たいして気にもとめなかった。トレーニングの際に負ったケガの影響だと思い込んでいたのだ。
しかし、これらの痛みはすべて心臓発作の前兆だった。実際に、倒れる前日は痛みと違和感がこれまでにないほど強かったという。
セディーヨさんは「ジュリエットは1カ月も早く生まれてきた。いまとなっては、まるで『お父さんを守るために生まれてきたのよ』というメッセージのように感じるよ。娘が僕の命を救ってくれたんだ。これからは、僕がジュリエットを守ってあげなくちゃね」と取材に涙ながらに語っている。
迅速な処置が功を奏し、セディーヨさんは2日後には無事に退院した。娘の大きな大きな親孝行で、九死に一生を得たのだ。
写真:リバーサイド・コミュニティ病院のフェイスブック
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