9月21日、米司法省はジョン・アレン容疑者(75)の逮捕を公表した。みだらな動画をネットから消し去るべく、携帯電話会社に爆弾を仕掛けた容疑だ。
事件の発端は、ミシガン州北部の電波塔で発見された脅迫文だ。8月下旬、近くを通りかかった人物が、水玉模様の封筒を発見した。なかには「モラルある通信連合」と書かれた脅迫文が綴られていた。
「我々の組織には30人のメンバーが所属する。以下の要求を満たさなければ、国内各地の電波塔を破壊する。
(1)ポルノや呪いなど、不道徳なコンテンツをすべて遮断するソフトを開発しろ
(2)我々の行動を止めたいのなら、500万ドル(約5億5000万円)を用意しろ」
もちろん、「モラルある通信連合」などは存在せず、30人のメンバーもデタラメだ。警察は同様の脅迫文を3通、ミシガン州内の電波塔で確認している。
脅迫文の次に打ち出した手段は爆弾だ。9月15日、同州にある大手携帯電話会社AT&Tの店舗前に、不思議な箱が置かれていた。箱にはやはり「モラルある通信連合」と書かれ、ワイヤーが無造作に飛び出していた。
なかには、アレン容疑者が自宅で製造したとみられる「パイプ爆弾」と「手錠」が入っていた。パイプ爆弾は、金属製の筒のなかに火薬と発火装置が入っており、実際に爆発すれば死者が出るほど強力なものだったという。
容疑者は別の電話会社にもパイプ爆弾を仕掛けているが、いずれもFBIの爆弾処理班により処理されている。結局、防犯カメラの映像から車が特定され、販売代理店のシールから容疑者が割り出された。
事件を報じたニュースサイトには、
《やっていることがテロリストと同じだ》
《インターネットのモラルは、その人の使い方次第だろ》
《刑務所なら、ポルノ動画を見なくて済むじゃないか!》
などのコメントが寄せられた。アレン容疑者は現在、脅迫や爆発物製造の罪に問われており、最大で20年の懲役が下されるという。
写真:ミシガン州地方裁判所
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