9月15日、リチャード・ハジャー容疑者(64)に、懲役5年10カ月が言い渡された。ハジャー容疑者は、会社の金を30億円以上も横領したうえ、愛する “女子アナ” に貢ぎまくっていた。
高級革靴ブランド「オールデン」で知られる靴メーカーでCFO(最高財務責任者)を務めていた容疑者は、30年以上にわたって地道に仕事をし、周囲からの信頼も厚かった。
だが、2011年頃から会社のカネを横領し始める。米司法省の公式発表によると、小切手を偽造し、会社の口座から自身の個人口座へ送金していたという。
真面目だった容疑者を変えたのは、アメリカの元ニュースキャスター、ビアンカ・デ・ラ・ガルサ(45)だった。ガルサは、全米でも有名な情報番組の人気パーソナリティーとして活躍していた。
2人は、共通の知人のホームパーティーで偶然出会う。ハジャー容疑者はガルサを気に入ったようで、ベンツやマンション、600万円のブレスレット、1700万円のダイヤの指輪などを贈った。さらにガルサが夢見ていたコスメブランドの立ち上げ資金や、トーク番組の制作費も援助したという。
あっという間に貯金を使い果たし、最後の手段として会社のカネに手をつけた。そして、2019年に横領が発覚し、会社をクビになった後、逮捕。9月15日におこなわれた裁判では、37億円の賠償金の支払いを命じられている。
この賠償金について、容疑者の弁護士は「ハジャーさんが刑務所を出る頃には一文なしのホームレスだ。賠償金のため、ヨボヨボになっても働き続けなくてはならない」と判決を非難している。
当初、ハジャー容疑者との恋愛関係について頑なに否定し、貢がれたカネも横領されたものとは知らなかったと主張したガルサだが、現在は関係を認め、オールデンに若干の返済もしたという。
女性に貢ぎ、人生を棒にふってしまったハジャー容疑者。もう2度と革靴は履けないかもしれない。
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