「今回の一件以来、ロケに出ることもままならない状態です。現場としてはとんでもないことをしてくれたと思っています」
あるテレビ朝日関係者はそう語り、怒りを隠せない様子だ。
今回の一件とは、テレビ朝日の東京五輪番組を担当したスポーツ局のスタッフ10人が、閉会式のあった8月8日夜から9日未明にかけ、打ち上げと称してカラオケ店で会食をおこない、女性社員が店の外階段から落ちて足を骨折する重傷を負った事件。
打ち上げがスタートしたのは、8日午後8時ごろのことだった。場所は港区内のお好み焼き店で、まずは7人が参加していた。
「最初は7人で始まり、1時間後に女性社員も合流したようです。そこで終わればまだしも、その後午後11時半ごろにカラオケ店に場所を移し二次会を始めました。夜中の2時になってさらに社員2人が合流、そこからさらに盛り上がったようです」(テレ朝関係者)
打ち上げがスタートして7時間半後の3時半ごろ、女性社員が先に帰宅の意志を告げ部屋を出た。ところがその社員はなぜかエレベーターを使用せず、外階段を降りていった。
だが、階段が施錠されていると思い込み、外に出られなかったことから、階段の踊り場から飛び降りたとみられる。4mほどの高さだった。
「救急車が現場に来たとき、彼女は店の前に倒れていたといいます。警察も現場に来て、カラオケ店にいる客を探した。警察は、女性が突き落とされた可能性を視野に入れたのか、その場にいた全員を渋谷署に同行させ、事情聴取しました。結局、事件性はないと判断されましたが、全員が解放されたのは、朝8時半ごろだったといいます」(同前)
カラオケ店から転落した女性社員は、左足のかかと部分を骨折したようで、その後、手術を受けるほどの大けがを負った。
「各メディアがテレ朝の “醜態” を取り上げて批判していますが、8日の夜は多くのメディアのスポーツ担当者が泥酔していたはずです。本気で彼らを批判できるメディアはほとんどないんじゃないんですか」
と語るのは、スポーツ紙記者だ。
「五輪を取材できるのは、メディアのなかでもごく限られたメンバーだけなんです。各会場の入場ゲートには、事前に申請された人間かどうかチェックするための厳密な顔認証システムまで導入されています。
つまり、大手テレビ局であっても五輪期間中は固定のスタッフで各会場を訪れるため、約2週間、ほぼ休みなしで朝から晩まで働いていることになります。なので、8日の閉会式後は、労をねぎらうためにいたる所でどんちゃん騒ぎですよ」
閉会式は20時から23時までおこなわれた。当然、五輪取材の打ち上げは、都内各地の時短営業に応じていない店舗で開かれることになった。
「私は朝まで営業している六本木の寿司店に行ったのですが、店内は五輪取材を終えたと思われるメディア関係者や五輪スタッフで満員でした。
特に海外の記者やスタッフは、周囲の目を気にしないので、五輪用のIDカードを首から下げたままだったり、選手団のユニフォームを着たままだったりするんです。
さび抜きの寿司を醤油につけずパクパク食べていましたよ(笑)。8日の夜はどこもこんな有様ですから、多くのマスコミのスポーツ担当者は本音ではテレ朝に同情していますよ」(同前)
東京都のコロナ感染者数は、8月13日に過去最多の5773人を記録している。この様子では、さもありなん、としか言いようがない。
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