写真:9月25日、本誌直撃時の小松アナ
「日常的に『死ねよ』『ぶっ殺す』と罵倒されていました」
本誌が8月20日号で報じた、テレビ朝日『大下容子 ワイド!スクランブル』の制作現場でのパワハラ被害。大下アナが本誌直撃に「(事実なら)きちんと対応しないといけない」と対応し、大反響を呼んだ。
だがその後、事態は意外な展開に――。同局の現役社員から「問題はそれだけではない」と訴える声が、次々と届いたのだ。
「子会社であるテレビ朝日映像に所属して、『ワイド!スクランブル』を担当していた女性ディレクター・Aさんが、苛烈な “個人攻撃” を受けて、出社できない状態になったんです」(番組関係者)
攻撃の主役になったのは、同番組を担当する、テレビ朝日の男性幹部社員・B氏だという。
「Aさんのやることを、ほかのスタッフの前で、いつもキツい言葉で否定していました。
彼女は今年の春から、ある業務のディレクターを担当していたのですが、それを後輩の若いスタッフにやらせて、『見ろ、こいつがやったほうがいいんだ。お前も少しは見習え』と言うんです。彼女が反論すると、『お前には何も言う権利はない』と怒鳴ったり……」(前出・番組関係者)
Aさんは、ベテランの制作ウーマン。「現場では、女性スタッフたちの精神的支柱でした」(番組スタッフ)という。
「Bさんは、早河洋会長にかわいがられてきました。現在は、『首相官邸と早川会長のパイプ役』を自任しています」
テレビ朝日の中堅社員はそう語るが、B氏の “強圧言動” が目立ったのは、番組放送後におこなわれる “魔の反省会” でのことだったという。
「Bさんは毎回、感情的に、相手の非を責めているように見えました。思いつきで発言しているとしか思えないことも多く、周囲は振り回されています」(元スタッフの男性)
この反省会に同席していたのが、番組のMCである小松靖アナ(44)だ。前出の元男性スタッフは、「小松アナも、Bさんの暴言に便乗しているのかと思うくらい、Aさんに厳しい叱責の言葉を口にすることがあった」と話す。
「反省会は地獄でした。スタッフは30時間も寝ないで働いているのに、Bさんから落ち度を責められ、小松アナから追い討ちをかけられることもありました。
小松アナが、『自分の映りが悪い』とAさんに激しく怒った場面を覚えていますが、ディレクター陣は、Bさんと小松アナに対して、ビビりまくっていました」(前出・元スタッフの男性)
9月25日、番組出演を終えた小松アナを直撃した。
「申し訳ないのですが、会社を通していだたけませんか」と応じたが、Aさんへの叱責について尋ねると、こう答えた。
「私は知りません。また、BさんがAさんを個人攻撃する現場を、見たことはありません」
B氏によるAさんへの暴言は「パワハラ」ではないのか。
テレビ朝日広報部に確認を求めると、文書でこう答えた。
「『番組内容に関する指示や注意が厳しすぎる』といった情報があり、番組関係者へのヒヤリングをおこないました。その結果を顧問弁護士に検証してもらったところ、それらの発言については、特定個人へのハラスメント行為とは認められませんでした。
一方で、職場環境を損なうような言動があると認められました。このため、報道担当役員が本人に改善を指示し、厳重注意をおこないました」
「職場環境を損なう言動」はあったが、個人への「ハラスメント」ではない――。禅問答のような回答が返ってきた。
小松アナについても、強く否定する回答だった。
「番組の反省会では通常、活発な議論がおこなわれていると承知しています。特定の個人に対するハラスメント行為にあたるような言動がおこなわれたとは認識しておりません。なお、(略)特定個人を糾弾したとの質問状の内容については、事実ではありません」(テレビ朝日広報部)
そして、Aさんについては、こう答えた。
「コンプライアンス統括室が8月に、被害を受けたとされる人物に事情を聴き、この人物はハラスメントとは受け止めていないことを確認しました」(同前)
Aさん本人も、パワハラとは認識していないという見解だ。本誌がAさんの携帯電話に電話すると、本人と繋がった。
――パワハラがあったと聞いているが、直接、お話をうかがえませんか。
「……取材を受けるか、考えさせてください。こちらからご連絡します」
その後、本誌からの電話に、Aさんが出ることはなかった。
「局側も、問題は把握していて改善の手は打っており、すでにAさんも仕事に復帰したとは聞いています。『近々、Bさんのほうも、番組の担当を外れる』と局内で噂が流れています」(テレ朝社員)
スタッフたちは固唾を呑んで見守っている。
(週刊FLASH 2019年10月15日号)