迷惑なイタズラを仕掛けた男が逮捕された。オーストラリアのアルバニー警察は、サメの監視タグを奪い取った男(48)を逮捕したと発表した。
オーストラリアでは、サメによる被害対策として、人の多い海岸に出現したサメに監視タグを取りつける場合がある。
監視タグがついたサメが特定のエリアに接近するとレシーバーが反応し、人々に警報を発する仕組みだ。これまでに、ホホジロザメを含む115匹のサメが監視対象となったという。
今回起訴された男は、同国南西部の海岸でたまたま監視タグがついたサメを捕獲した。男は監視タグをサメから奪い取り、そのまま持ち歩いたため、8月13日から9月4日までのおよそ3週間で、7回の誤警報が発せられたという。男は、11月4日に裁判所に出廷する予定だ。
オーストラリアは世界有数の「サメ大国」だ。
サメなど凶暴な生物による人的被害をカウントしているISAF(インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル)が今年発表したデータによると、2020年のサメによる人的被害は、オーストラリアが18件で世界2位(1位はアメリカの33件)。
かつてオーストラリアでは、日本人もサメの犠牲となっている。2015年2月、41歳の日本人男性がサーフィンを楽しんでいたところ、4メートルほどのサメが突然現れ、襲ってきた。男性は両足を噛みちぎられ、死亡している。
ISAFは「サメが活発な夜明けと夕暮れの薄暗い時間帯を避ける」「指輪など光を反射するものを身につけない」「大雨などで水が濁っているときは視界が悪く、間違えて噛まれるリスクがある」などと警告している。
近年では、ドローンに積んだAI(人工知能)でサメの位置を把握し、事故を未然に防ぐなど対策も進化しているという。今回の一件は、純粋に海を楽しみたい人々にとって、あまりにも迷惑な事件となった。
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