中川翔子が10月13日、YouTubeチャンネルを更新し、自身への脅迫をネットに書き込んだ男が書類送検された件について触れた。「本当に何カ月にもわたって執拗に誹謗中傷、なかには命に関わるような『硫酸かけるぞ』とか『自殺しろ』とか、ものすごい勢いで書かれ続けた」と、恐怖の日々を明かした。
実は、中川を恐怖させた硫酸ぶっかけは、世界各地で発生している。日本でも、都内の駅で知人男性に硫酸をかけ重傷を負わせたとして、8月に男が逮捕されたことは記憶に新しい。
同様の事件がイギリスでも起きている。25歳のミラド・ルーフ容疑者は、今年5月、ブライトン市に住む24歳の女性に対し、硫酸をかけて重傷を負わせた。恋人同士だった2人だが、およそ1カ月前に破局しており、それが事件につながったと見られている。
この事件が注目を集めた理由のひとつが、ルーフ容疑者が周到に立てた犯行計画だ。事件当日の朝、自宅から電車を乗り継いでブライトンにやってきた容姿者は、正体を隠すため「女装」をしていた。
防犯カメラに映る容疑者は、大きな上着を着て、肥満体型のように見せている。メイクしたうえにサングラスもかけ、さらに、コロナ感染対策用のフェイスガードを着用するなど、徹底した身バレ対策を講じていた。警察も「黒人女性に扮した」と発表している。
ルーフ容疑者は元恋人宅のチャイムを鳴らし、女性が現れると、一枚のメモを手渡した。そこには金銭を要求する文言が書かれていたが、メモを読もうとした瞬間、隠し持っていた硫酸を顔めがけて浴びせかけたのだ。
硫酸は顔だけではなく、首や胸元にまで及び、女性は右目を失明してしまった。これまで5回も形成手術を受けているが、まぶたや首の動きが鈍くなるなどの症状はおさまっていないという。
女性は手記を発表し、「あの日以来、私の人生は変わってしまいました。身も心も常に疲弊し、将来の不安に襲われています」とその胸の内を明かしている。
ルーフ容疑者は犯行後、すぐにその場を立ち去ったが、目撃者の証言と防犯カメラの映像から、即座に逮捕された。自宅からは、変装の詳細について記された手書きのメモが発見されている。
10月に入り、容疑者には禁錮15年の実刑判決が下された。実行犯は最長15年で自由になれるが、被害者は永遠に被害に悩まされることになる。
写真:英サセックス警察
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