金銭の貸し借りは、時に大きなトラブルとなる。インドでは、「100円」をめぐって、13歳の少年が11歳の友人を殺害してしまった。
9月1日、インドのウッタル・プラデーシュ州の森で遺体が発見された。警察は、被害者の知り合いだった少年を殺人容疑で逮捕した。
ある日、家族からおつかいを頼まれた少年は、60ルピー(約100円)を手渡された。しかし、少年は途中でお金を賭け事に使ってしまう。
両親から預かったお金を失い、恐くなった少年は、その場にいた友人から同額を借り、何事もなかったかのようにおつかいを済ませた。この友人が、今回発見された被害者だ。
100円の借りっぱなしが続くなかで、友人は少年に会うたびに「おカネ返して!」と要求するようになった。
そして事件は起きた。事件当日、少年は話し合いをするために友人を呼び出した。少年は調べに対し「あいつを森に呼び出したんだ。そしたらまた怒りだして、石で襲おうとしてきたからケンカになって……」と供述している。
抵抗するため、少年も近くに転がっていた石を持ち、友人にふりかざした。友人はその場に倒れこみ、頭から激しく出血した。このとき被害者はまだ息をしていたが、怖くなった少年は友人を茂みに隠し、衣類についた血を水で洗い流した。友人はそのまま息絶えたとみられる。
放置された遺体は、発見されたとき、野生動物によって11の肉片に噛みちぎられていたという。
世界銀行は、1人あたり1日1.9ドル(約200円)という生活費を基準に「国際貧困ライン」を設定している。今回、事件が起きたインドは、2017年の時点で、およそ1億5000万人が国際貧困ラインを下回っている。近年は新型コロナウイルスの影響で、貧困に拍車がかかっている状況だ。
少年にとって100円はあまりにも大きな金額だったのだろう。
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