日ハムの斉藤佑樹(33)が引退を表明し、引退試合は10月19日のオリックス戦(札幌ドーム)に決まった。この一報を聞いたとき、違和感を感じた野球ファンは少なくなかったはずだ。
プロ野球は毎年、新たに80人以上が入団し、100人以上が退団するという。現役生活をまっとうし、引退試合をおこなってもらえる選手は、ほんのひと握りという厳しい世界だ。
甲子園優勝投手、早稲田大学のエースを経て入団した斎藤だったが、入団1年めに6勝、2年めに5勝したものの、その後は鳴かず飛ばず。ここ2年は連続で一軍登板なしに終わり、プロ通算9年で15勝26敗。とてもチームに貢献したとは言い難い成績だ。ではなぜ、引退試合をおこなえるのか。日ハム担当記者が解説する。
「確かに成績だけ見れば戦力になっていたとは言えません。ただ、彼の場合は球団の人気を支えた功労者なんです。
入団1年めの彼の人気はすさまじく、ユニホームなど、彼の関連グッズの売り上げは20億円にも上ったといわれています。ここ数年は活躍できなかったので、新たなファンの獲得には至っていませんが、それでも主婦層を中心に固定ファンは大勢いて、あの人気は侮れませんでした。それだけに、球団としても早めに引導を渡していたらイメージが悪化しかねなかった。親会社は食品会社で、おもに主婦層が顧客だっただけになおさらです。
また、やはりドラフト1位の威光もあったのでしょう。入団時には『最低でも10年はやってもらう』といった密約も囁かれていました。成績以外のことでの貢献度が高かったので、球団内で引退試合をやることは、当然のことと受け止められています」
そんな斎藤の気になる今後だが、「まずは外から野球を見て、数年後にコーチとして日ハムに帰ってくるのではないか」と、前出記者は続ける。
「じつは、すでにキャスターや解説者として争奪戦が繰り広げられています。彼はいいことも悪いことも経験し、しかも頭の回転が速い。とくに熱心に誘っているのが、テレ朝だと言われています。
テレ朝には人気番組の『熱闘甲子園』があるので、甲子園優勝投手の彼ならうってつけ。現在は、古田敦也氏がキャスターを務めていますが、彼は次期、侍ジャパンの監督の有力候補ですから。もし監督に就任しなくても、”斎藤&古田”のバッテリーコンビとして売り出すのではないでしょうか」
このほかにも、フジテレビがアプローチしていると言われ、引退後もセカンドキャリアの心配はなさそうだ。
引退試合といえば、頭をよぎる選手がもう一人いる。こちらは日本球界、メジャーでも十分な実績を残した松坂大輔(41)だ。しかし、7月7日に引退発表をおこなって以来、その後の予定は聞こえてこない。
「松坂は家族がいるボストンに帰っているようです。引退試合も、今月中にやるという話は聞いていますが、帰国してもコロナ禍の影響で隔離されるので、そろそろ帰ってこないといけないはずです。もし今年やらないのであれば、来年開幕前のオープン戦でおこなうのはないでしょうか。あれだけ実績を残している選手だけに、引退試合をやらないはずはありません。
また引退後ですが、しばらくは自宅のあるボストンを拠点とするでしょう。日本球界復帰以降、ずっと家族と離れ離れになっていたので、家族と一緒の時間を作りたいようです。なので、コーチや監督就任はまだ先の話。ボストンを拠点にして、何度か日本に帰ってきて解説するといった、松井秀喜と同じようなことになるでしょう。解説するとなると、妻の柴田倫世がアナウンサーを務めた古巣の日テレが有力視されています」(スポーツ紙記者)
こちらも悠々自適の生活が約束されているようだ。
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