同期入団の2人が雪辱を期している。横浜DeNAの倉本寿彦内野手(30)=写真右=と山下幸輝内野手(28)=写真左=はともに不本意なシーズンを過ごした悔しさをにじませながら、プロ8年目となる来季への強い思いを吐露した。
ヒーローの背番号継承
倉本は5月9日の阪神戦(横浜)で左手薬指の関節脱臼と剝離骨折の負傷。約3カ月、戦線を離れたことを「チームが苦しい中で離脱し、力になれなかった」と悔やむ。
「もう一度レギュラーを」と臨んだ秋季トレーニング。1998年の日本一メンバーがコーチとして戻ってきた。茅ケ崎市出身の倉本にとっては、白球を追い始めた頃から憧れの存在だ。
中でも現役時代に同じ内野手として躍動した名手に、特別な思いを抱く。「スタジアムに行くと、毎試合ショートに立っていたのは石井琢朗さんだった」。秋季トレーニングではさっそく助言を求めた。
かつて石井コーチが付けた背番号5を継ぐ倉本は、自身のヒーローを前に復活を誓う。
体の切れを取り戻せ
「野球の結果は全然評価できない」と己に厳しさを向けたのは山下。前半戦は主に代打で存在感を示したが、後半戦は1軍出場なし。46試合で10安打、打率2割でシーズンを終えた。
打撃向上のために励んだウエートトレーニングで「体が重くなってしまった」と反省。オフは体の切れを取り戻すため、瞬発系のトレーニングに注力する。
危機感が新しい行動にも駆り立てた。「面白いトレーニングの動画を投稿していた」と、写真共有アプリ「インスタグラム」を通じてトレーナーの上田雅弘氏と個人契約を結び、指導を受けている。
「走塁、守備、打撃の全部を追ってしまうと空回りすると思うので、代打一本に絞って頑張る」と山下。一振りに懸け、輝いてみせる。
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