勝負と位置付けた9月は11勝14敗2分けに終わり、優勝争いから後退したベイスターズ。チームでただ一人、全試合先発出場を続ける佐野恵太内野手(25)=写真左=は4年目で初めて規定打席に到達し、月間打率は今季最高の3割7分1厘をマークした。「キャプテンとしてチームを引っ張る気持ちで、自分のできることをやってきた」という不動の4番バッターは首位打者と最多安打のタイトルを視界に捉える。
打撃の悩み、吹っ切れた
9月の最初の巨人戦で3連敗。やっぱり勝負どころでちゃんと勝ちきらないといけなかった。同じ相手に負けるというのは、絶対に避けないといけない。シーズンの難しさを痛感した。巨人は首位のチームということもあり、特に先発、中継ぎともに良い投手が多い。でも、それだから打てませんではいけない。どうやってしぶとく得点を重ねていくか。そういう野球をやっていかないと。
個人的には、シーズン開幕から安定した成績を残せていることは自分の中で評価できるが、バッティングで悩んでいる時期もあった。(9月27日の広島戦前に)ラミレス監督に呼ばれて、打撃の話などをしてもらって吹っ切ることができた。本当に声を掛けるタイミングを計っていた気がする。
球団の月間最多安打を更新した梶谷選手は、すごく考えながら練習をしている。野球に対する気持ちが熱く、打撃のことを本気で教えてくれる打者の一人。相手チームの投手のこともよく見ていて、実績がある選手でも野球への態度やいろんな人にアドバイスを求める姿勢はすごいと思うし、まねしたいとも思っていた。
1、2年目はテレビで見ることが多かったので、実際に一緒にプレーしてみると意外なギャップがあった。ホームランを打っている数字を見てもびっくりしない。大きな存在で目指したいと思える。
シーズンも終盤戦。タイトルについては本当に意識する余裕はないけれど、取りたいと思う。ただ、まだまだあした打てるかな、次の打席に打てるのかなという不安もある。それを払拭(ふっしょく)できるようにしたいし、目の前のことをまずはしっかりやっていきたい。
初の規定打席到達はうれしかったし、レギュラーになるために数年前からクリアしたいと思っていた。ここから毎年のように到達して、結果を残せるように成長を続けていきたい。
=毎月1回掲載予定
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