次世代のショートストップはチームに新たな風を吹き込んだものの、上昇気流を巻き起こすまでには至らなかった。後半戦を1軍で過ごした横浜DeNAの森敬斗内野手(19)。打率1割9分4厘、6失策とプロの壁にぶち当たった高卒2年目の今季を「悔しい。自分のやりたいことがうまく表現できなかった」と冷静に受け止めている。
─今季は1年目の8試合から大幅に出番が増え44試合に出場した。得点を付けると。
「40点くらい。(今季初スタメンの中日戦で)最初に打って、こんな感じで入っていけば、試合で起用してもらえると思っていたが、そんな簡単ではなかった」
─具体的には。
「手も足も出ないという感じではない。ただ、同じように結果を出すことが難しかった。体でも心でも、立ち返る場所、原点とするものを持っていれば良かった。常に明日は来る。毎日、自分(の状態)が変わる中で、どう良い時と同じようにやれるか」
「1年目からノートに感覚を書き連ねてきたが、同じようにやってもうまくいかなかった。結局振り返ると、あやふやな感触があった」
─印象に残る試合は。
「(8月26日の)京セラドームでの阪神戦。全然駄目で途中で代えられた。ふがいなさをすごく感じたし、試合に出られるのが普通の感覚になってきてしまい、新鮮さがなくなったところが少なからずあったと思う」
─そういう部分を見抜かれてしまった。
「状態がちょっと落ちて練習から守備も打撃も良くなく、いつもより元気がなくて下を向いていた。態度に出てしまった。三浦監督には『出られることは当たり前ではないし、出られない選手がいることを忘れるな。平常心で、隙を見せるな』と言われた」
─30打席連続で無安打。ここまでの不調は野球人生でなかったのでは。
「自分に腹が立って試合が終わったロッカーで下を向いていた。もちろん、今までも不振の時期はあったけどそこまでではなかった」
─いろいろな反省を踏まえ、秋季トレーニングで意識していることは。
「来年に向けて一日一日を大切にしている。石井コーチらから教えてもらって、新たな感覚が難しければ、ちゃんと質問してもやもやが残らないようにしている。やっぱり、レジェンドの方々に教わっても結果につなげるのは自分。ものにできるようにしていきたい」
─3年目の来季、大きな期待が寄せられる。
「ことしはなかなか良い結果が出せず、掲げていたレギュラーには届かなかった。来年は開幕スタメンで出て、一年間レギュラーで試合に出られるように頑張りたい」
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