ダイヤモンドを駆け抜けた快足は、未来を照らす光だ。途中出場の横浜DeNA森=写真=が「武器」と自負する走塁で魅了した。
2点を追う七回2死。投手強襲のゴロで5日以来の安打をマークすると、続く神里の打球は右翼線へ。球足の速いライナーだったが、50メートル5秒8の韋駄天(いだてん)は一気にトップスピードに乗り、迷わず三塁を蹴る。沸き立つ観客席とは対照的に、滑り込むことなく悠然とホームを踏んだ。
適時打の神里は「森の激走に感謝です」とたたえ、三浦監督も「あの打球で一塁からかえってくるのが持ち味。役割を分かっていたと思うし、これを繰り返して成長してくれれば」と目を細めた。
プロ2年目の今季は7月から1軍に帯同するも、38試合で打率1割台、4失策とアピールしきれずにいた。先発した14日の広島戦では5打数無安打にエラーも記録したが、めげることなく次の出場機会に備えてきた。
今季最多タイの借金18となり、残りは6試合。佐々木朗(ロッテ)、宮城(オリックス)ら逸材ひしめく同学年の選手を「すぐに超えるんだという気持ち」を胸に、チーム内の競争を抜け出すような強烈な印象を残していく。
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