横浜DeNAの1軍外野守備走塁コーチに、ファームから6シーズンぶりに小池正晃氏(40)が戻ってきた。三浦監督が推し進める機動力野球の旗振り役として期待されている。
キャンプ地・沖縄で電話インタビューに応じ、「外野手には当たり前にできることを一番求める。走塁の部分では、一つでも先の塁を取らせる意識付けをするのが自分の使命」と意欲を語った。
─ここまでのキャンプは順調か。
「前半で選手への落とし込みや認識を整えらえた。特に走塁を交えた練習は比較的多くできた」
─三浦野球の印象は。
「投手出身なので、ピッチャー中心になるイメージを持っていた。守備的なものは『分からないから、いろいろ教えてくれ』と。攻撃に関しても『積極的に動かしてくれ』と言われたのでやりやすかった。もっと自分で動かすと思っていたが、任せると言われたことでやりがいを感じている」
─若手指導で心掛けていることは。
「より分かりやすく工夫して飽きさせないこと。その部分は試行錯誤しながら一番考えている」
─外野手の守備練習はつまらないと公言し、フライングディスクやテニスボールを使う。
「単純な作業の繰り返しは大事な要素の一つだと思っている。ただ、自分の現役時代やコーチ経験を積んだことで、15~20分間の通常通りの練習でうまくなるか。短い時間を効率よく使いたい」
─そのノウハウはどう仕入れているのか。
「ユーチューブなどを見て参考になるものを球団のハイパフォーマンスグループや動作解析の担当者と相談し、メニューを考案している」
─小池コーチの時代は歯を食いしばりながら練習しているイメージだ。
「数や時間をこなすことで身に付けたものもある。それは一概に悪いとは思わないが、今の時代に合わせたときに果たして、それだけでうまくなるのか。野球は楽しみながらやらないと」
─5年間指揮を執っていたラミレス監督の野球をどう見ていたか。
「攻撃的なイメージ。守備シフトや走塁に関してもデータをすごく活用していた。客観的に見てすごく楽しい、打ち勝つ野球をしていた。ただ、効率よく点を取るために必要なことはある」
─それが犠打、盗塁数でトップになった去年のファームの成績に結び付いた。
「三浦さんが監督になってバントも盗塁の数も増えた。本当にそういう野球がミックスされたらいいなと思っていた」
─監督が代われば、野球は変わるものか。
「変わらないといけないことはない。すべてを捨てて、ゼロからつくり直すのには時間がかかる。一人一人の考え方、勝利への執念や執着心が少しでも変われば、それだけでもベースが上がる。サインや盗塁は、その作戦の一つにすぎない」
─同じ「松坂世代」のコーチが増えた。
「現役は松坂(西武)と和田(ソフトバンク)の2人だけ。プレーヤーではない同じ土俵での切磋琢磨(せっさたくま)は刺激になるし、負けられないという思いも芽生えている」
─松坂とともに甲子園で春夏連覇を達成した1998年に、ベイスターズも日本一に輝いた。あれから23年がたった。
「日本シリーズは見ていたけど、あの頃は8月まで野球に打ち込んでいて正直なところ、そんなには覚えていない。昨年4位という形で終わっている。一人一人が意識を変えて、行動が変われば、勝利につながる。その準備をするためのキャンプを過ごしている」
外部リンク