プロ野球12球団のキャンプが1日、宮崎、沖縄両県などで始まった。新型コロナウイルス感染拡大で政府などから緊急事態宣言が出され、全球団が感染防止策を徹底した上で無観客でのキャンプインとなった。
横浜DeNAの春季キャンプは沖縄県宜野湾市のアトムホームスタジアム宜野湾で始まり、1軍メンバーの選手が約4時間、グラウンドなどで汗を流した。
三浦新監督は全体練習後の打撃練習で関根を相手に打撃投手を務めたほか、選手やスタッフとも積極的にコミュニケーションを交わした。ブルペンではドラフト1位の入江が熱のこもった投げ込みで首脳陣に猛アピール。主将として2年目の佐野は、打撃練習で柵越えを連発するなど状態の良さを伺わせた。
指揮官は「選手個々にテーマを持ってキャンプインをしてくれたと感じる。充実していた」と初日を振り返った。
指揮官自ら打撃投手
異例の光景が広がったのは、全体練習後のことだった。
南国の日差しが照りつけた午後2時半頃。ヘルメット姿の三浦監督がマウンドへ向かう。居残りでフリー打撃に取り組む関根に対し、小気味よく内外角へ投げ分けていった。
15分間で92球。そのうちボールは3球だけ。精緻なコントロールは現役そのままだ。「去年も2軍で投げていたからいつも通り。(関根)大気のいい練習になればと思って」。無観客で歓声のないグラウンドに、快音だけが響き渡った。
今季1軍定着が期待される左打者は、右翼席に4球連続を含む10本の柵越え。「三浦さんの球は強い。一定のテンポで投げてもらえるから打ちやすい」と感謝しきりだ。昨季プロ入り後初めて1軍出場がなかった25歳を2軍監督として見守ってきた指揮官は「いい自主トレを過ごしてきたなと感じた」と目を細めた。
チームスローガン「横浜一心」の下、新監督は初日から精力的に動き回った。ブルペンでは全11投手の球筋をチェックし、助言を送ったという。「聞きたいことがあったから」とトレーナーら複数のスタッフと意見交換する場面も目立った。
練習メニューに変化も。3カ所に分かれた野手のノックでは内外野手が入り交じって、それぞれのポジションについた。「いろんな動きをしてもらいたい」とのコーチ陣の発案を取り入れたといい、佐野は「内野を守るのはなかなかないこと。楽しかった」と喜んだ。
全員の「意識改革」を求めるキャンプが幕を開けた。「気持ちがぐっと引き締まる。選手がいいキャンプが送れるようにできることはやっていきたい」と意欲的に始動した「番長流」コミュニケーションで、チームの結束を高めていく。
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