プロ野球はソフトバンクが日本シリーズで4連覇を果たし、2020年シーズンが終了した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたのはグラウンドで戦ったナインだけではない。横浜スタジアムに彩りを添えるオフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」のメンバーもまた、未曽有の一年を全力で駆け抜けた。
11月14日の今季最終戦。ハマスタには1万6千人近くのファンが駆け付け、彼女たちのパフォーマンスにも拍手が降り注いだ。バイスキャプテンのMahoさんは「シーズンが開幕してからきょうまでの景色が全部頭によぎった」という。無観客からスタートし、新設された「ウィング席」で踊った時期も長かった。
開幕延期と緊急事態宣言の発令で先が見えなくなった今季。3密を避けるためにそれぞれが自宅で練習を重ねた。キャプテンのFukaさんは「寂しかったし、泣いてしまった時期もあった」と明かす。19人いるメンバーのLINE(ライン)グループで動画を送り合ったり、新たな振り付けを考えたりすることで、モチベーションを保ってきた。
3カ月遅れで開幕。来場者を笑顔にすることが踊る理由の一つになっていたが、試合前のステージでのパフォーマンスなども自粛せざるを得なかった。「お客さんを巻き込むMCの練習もしていた。直接、言葉を掛けてもらう機会を失った」とFukaさん。幼稚園訪問などの地域貢献活動もできなかった。それでも、試合を重ねるごとに球場内でのパフォーマンスの範囲は広がり、ファンとの距離が近づいた。
シーズン終盤の10月23日から試合前のみ、例年のように内野で踊ることが可能となった。ファンは惜しみない拍手で後押ししてくれたという。
Fukaさんは「メンバーやファンの支えで乗り越えられたからこそ、チームとして大きく成長できた」と実感を込める。Mahoさんは「メンバーが優しい顔で踊っていた。つらかった時期もあったけど、それよりも人の温かさを知ることができた一年」。会員制交流サイト(SNS)のコメントや球場で直接励まされたことに感謝の言葉は尽きなかった。
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来年1月15日には今季のメンバーらがパフォーマンスを披露する「TheFainals」と題したイベントを関内ホールで開催する。詳細は球団ホームページへ。
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