東京五輪の中断期間を経て後半戦がスタートした。
ベイスターズの先発ローテーションには今永、浜口、大貫、阪口、ロメロ、坂本、京山の名前が挙がる。阪口は今シーズン良くなっているが、全体を見渡すと若手が育っていない。今永、大貫、浜口の試合は確実に勝ちを拾いたいし、他の投手が登板する試合はどうやって4得点以上取るか。
投手力が低いといわれた西武がパ・リーグで連覇できたのは、能力の高い投手相手にも得点できたから。15日のヤクルト奥川のような好投手からはなかなか得点は奪えないものだが、1点ずつでも取らないといけない。全部勝つというのも無理な考え方だが、オースティンやソトがチームに戻ってから、勝率5割で粘っている。
残り56試合で30勝するのが理想だが、最低5割のラインを目指してどう勝ち切るか。もしくは先発を育てる覚悟の上で戦うのか。球団と監督がしっかり決めて戦った方が来年に確実につながる。一番悪いのは中途半端になること。これは監督一人で決められる問題でもない。
もう30年以上前の話になる。自分は高卒2年目に3勝11敗の成績だったが、打たれても投げさせてもらった。それが3年目(の11勝6敗)につながった。もちろん鍛えられたし、気合だ、根性だという時代ではないが、投手は急に良くなるものではない。
4失点しても我慢するのか。最低でも100球を投げさせるのか。本当は1軍でやってはいけないことだが、ここ4、5年、開幕からローテーションがそろっていない。そろそろ考えないといけない時期に来ている。
侍ジャパンが金メダルを獲得し、野球への興味関心は高まっている。31日からは横浜スタジアムにチームも戻ってくる。今から「優勝したい」なんて言ったら笑われる。球団と監督で方針を決め、選手を納得させないといけない。同じ負けるにしてもやっぱり負け方がある。三浦監督がどう統率していくか。後半戦は来季につながる、ぶれない野球をしてほしい。
のむら・ひろき
野球評論家、桜美林大野球部特別コーチ。大阪・PL学園高を経て、1988年から横浜大洋(現横浜DeNA)でプレー。93年に17勝で最多勝、98年には13勝で日本一に貢献した。2002年に引退。通算301試合で101勝88敗。広島県出身。52歳。
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