数々の新人記録を塗り替えてファンを驚愕(きょうがく)させてきた牧が、初の契約更改でも驚きの額をたたき出した。
ルーキーイヤーを終えて7千万円でサインしたのは、松坂(西武)や菅野(巨人)ら数少ないスーパースターたち。「本当にいいのかな。5千万円くらいもらえたらいいなと思っていた。想像以上でびっくり」と目を丸くした。
10月に高級外車をローンで購入したばかりというが、使い道を問われると「物欲はあまりない」とあっさり言う。「家族が一番応援してくれたので、年末に実家へ帰ったときにご飯に連れて行きたい」と感謝の言葉を重ねた。
シーズン後半戦から打率を上げ、リーグ3位まで浮上。新人離れした好成績を残せた要因に、東京五輪中の休止期間を挙げる。前半戦終盤に痛めた腰のケアとともに「特に打撃を改善できた。1カ月、いい時間を過ごせた」と振り返る。
最後まで疲労は抜けなかったが、「それ以上にいい形で試合に臨めていた」。気になるところがあったらノートに書き記す研究熱心さでライバルチームの対策をはねのけ、内角高めなどの苦手コースを克服できる高い技術力もあった。
わずか1年で球団上位クラスの年俸となり、来季はけん引役としての働きを求められる。「今年は好きなようにやらせてもらったが、後輩も増える。スタメンで出続けてチームに必要な選手になっていければ」
低迷するチームにあって輝きを放ち続けた背番号2の次なる目標は既に定まっている。「打撃を一から見直し、来年も打率3割は継続したい。まずは1億円プレーヤーを目指す」。スター街道を踏みしめていく。
一問一答「目標は日本一」
契約更改を終えた横浜DeNA・牧はオンライン会見に応じ、充実感を漂わせながら今季を振り返った。
―初めての契約更改を終えた感想は。
「来年また頑張ろうという気持ち。球団からはありがとうと言ってもらえた」
―あらためて今シーズンを顧みると。
「最初はチームの苦しい時期が続き、勝つのが難しいと感じた一年だった。ずっと1軍にいさせてもらったことが自分として経験になった」
―今季を漢字一文字で表すなら。
「『新』。自分にとって新しい1年だったし、新人記録をいろいろと塗り替えられたので」
―オフで磨きたい部分はどこか。
「4月終わりから夏にかけて調子を落とした。成績をいかに保てるかが大事。トレーニングで体づくりをしたい」
―守備のこだわりは。
「二塁手で試合に出続けたい。守備範囲は広くはないが、投手が打ち取った打球をアウトにするのをもっと極めたい」
―楽天から藤田が10年ぶりに復帰する。
「守備がものすごくうまい印象がある。自分に足りないのは守備面なので聞いてみたい」
―来季の目標は。
「日本一。まずはリーグ優勝を掲げてやっていきたい。個人としても今年を少しでも上回れるような成績を残せるように頑張りたい」
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