「大学を出て就職してからの33年間、ランチはほぼ自分のデスクで食べていますね」
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「そばが好きなので出前を取ることもありましたが、今のオフィスは出前不可なんですよね。ランチは外部から売りに来る弁当です。時間が足りないので、散らかったデスクでお茶を飲み、弁当を食べながらノートパソコンのキーをたたいています」
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「出張を除けば、今年1月から会社に来なかった日はありません。皆勤賞です」。
■不規則な生活に拍車。深夜2時に会議も
「米国には現地法人や取引先があるので、深夜のリモート会議も珍しくありません。今年4月に政府が緊急事態宣言を発令したあとは会議の予定が流れたりして急に空き時間が増えましたが、1週間もすれば対面の会議からあっさり切り替わりました。リモート会議が増えすぎて、コロナ禍のほうが生活時間が不規則になっていますね」
「夜遅い時間は酒に酔っていることが多いので、基本的に電話は受け付けませんでした。それが今では夜8時でも、日付が変わった2時でも海外のミーティングです」
■意外に現金主義で必ず持ち歩く
「現金は絶対に、どこででも使えます。何かのときに必要になることがありうるので、必ず一定額をポケットに入れています。そういえば先日、社内をひと回りしたら、社員の結婚祝いを頼まれたり外国人従業員の通信販売の代引き料金を立て替えさせられたり。10万円あった現金が10分ほどですっからかんになりました(笑)。クレジットカードや電子マネーでの支払いが続き、ポケットに入っている5万円がずっとステイしていることもあれば、こんな感じですぐに出ていくこともあります」
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■松本さん個人の資産運用は?
「最近、自分の資産運用に関しては2つの変化がありました。ひとつは私たちが立ち上げた投資信託(以下、投信)『マネックス・アクティビスト・ファンド』を、個人資産で相当な金額分を買ったこと」
「もうひとつは、投資のおもしろさを自分が再認識していること」。
「新入社員のころを除けば私はこれまで『無借金人生』でしたが、今回は人生で初めてお金を借りてまで投資しています」
「世界の中央銀行が『超大型量的緩和』を実施しています。市場に十分なお金が回ると、株式や不動産などは値上がりするものです。世界中で大量のお札が刷られても富の量は一定。そこに大量の資金供給が実施されると、株式や不動産に割り当てられるお金が増え、値段が上がると考えています」
「夏祭りが中止になって在庫が積み上がり、投げ売りしていたようです。反物と帯のセットが仕立て付きで10万円。定価で45万円、セールでも25万円はする高級品がですよ。株価がスルスルと上がる一方で、高級品が値下がりする。こうした現象の背景を探るのはとても興味深いことです。自粛解除後に郊外型ショッピングモールの『ららぽーと』は一気に客足が戻りましたが、銀座の高級ブランド店はさっぱり。明暗を分けた理由は近隣に住宅街があるかどうかでしょう。コロナ禍であっても、影響は企業によって全く違った形で表れます。日ごろからその理由を考えることは投資にも役立つはずです」
(構成/大場宏明、編集部・中島晶子、伊藤忍)
※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成