自分で年金を積み立てるiDeCo(イデコ=個人型確定拠出年金)の加入者が増え続けている。2018年3月時点で85万3723人だったのが、2020年7月現在で165万8186人(国民年金基金連合会)になった。
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iDeCoでは主に投資信託を積み立てるが、「ぜひうちでiDeCoを始めて欲しい」と思う金融機関のコスト競争が激化。ユーザーにとっては嬉しいことに、「ほぼ、タダ」の金融機関が増えてきた。
アエラ増刊「AERA Money今さら聞けない投資信託の基本」では、iDeCoを取り扱う金融機関をシンプルに比較している。
まず「iDeCo手数料が安いか、高いか」を見分けるためのポイントを教えよう。「初回2929円・つみたて中171円・(つみたてを)お休み中66円」の金融機関が、iDeCoに関しては最安だ。
これら3つの金額は国民年金基金連合会や信託銀行などに支払う手数料なので、「取扱金融機関自体ではiDeCoに関する手数料を取っていない」ということになる。
具体的に、どこが安いか? 品ぞろえやコストでハズレがないのは大手ネット証券(auカブコム証券、SBI証券、マネックス証券、松井証券、楽天証券/五十音順)。
手数料も横並びで安く、投資信託自体のコストである信託報酬が激安な投信もひと通り取り扱っている。同じ投信でも、ネット証券で買えば、買うときにかかる販売手数料が無料ということもよくある。そして大手ネット証券なら、どの投信も100円から買えるのでハードルが低い。
続いてがんばっているのはネット銀行。イオン銀行(一部店舗もあり)が条件なしにiDeCoの最低手数料を打ち出している。ネット銀行の中ではソニー銀行も、iDeCo残高や掛け金累計額50万円以上という条件付きながら、安い。
窓口のある大手証券では大和証券が条件なしに安い。その後に野村、SMBC日興証券が続く(受付は三井住友銀行)。余談になるが、SMBC日興証券のオウンドメディア「日興フロッギー」は初心者がやさしく投資の知識を得られるサイトとして人気。まずはここで学んでからiDeCoにチャレンジするのもいい。
メガバンクのiDeCo手数料は総じて高めだ。みずほ、三井住友、りそなは条件付きでネット証券並みになるような設定をしている。
ただメガバンクは「いつも使っている銀行で、そのままiDeCoも」という利便性はある。預金と投資信託をシームレスに管理できる点は魅力だ。
銀行の投資信託はコストが高いイメージもあるが、三井住友銀行は信託報酬が業界最安値水準の「SMBC・DCインデックスファンド」シリーズを出し、話題になっている。
(構成/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)
※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成
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