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オンライン会議はリアルの代替ではない 「挙手制」「発言1分」新ルール作りが必要

2020年9月7日 18:00 AERA/写真・松永卓也

 テレワーク普及の流れは止められない。だが、それとともに新たな悩みやストレスを抱える人も増えてきた。組織のコミュニケーションを見直すチャンスと捉え、新たなルール作りを進めたい。AERA 2020年9月7日号で掲載された記事から。

【「オンライン疲れ」の正体は“脳過労” 脳科学で考える「1日5分」効果的な解消法】

*  *  *
 テレワークでオンライン会議やメール、チャットが急増する一方、対面のコミュニケーションは減っている。

 テレワークの普及とともに、新たな悩みやストレスを感じる人が増えている。

 都内の会社員の女性(52)は、オンライン会議のたびにイライラするという。

「一人一人の様子がわかりづらくて発言しづらいし、発言した後の相手のリアクションもわかりません」

 コロナ以前、会議室で集まっていたときには、周囲の呼吸や雰囲気が直に伝わった。だがオンライン会議では10人近い参加者全員の顔を一度に見ることはできないし、すぐには発言者がわからないことがある。

 アエラが8月中旬にウェブで行ったアンケートでも、オンライン会議に対する不満や悩みが多く見られた。

「言いたいことの半分しか伝わっていない」(40代女性・会社員)、「間(ま)が取りづらい」(40代男性・会社員)、「相手の雰囲気がわからず一方通行感がある」(50代女性・会社員)

 東京女子大学の橋元良明教授(情報社会心理学)は、オンライン会議におけるストレスの最大の要因は、ノンバーバル(非言語)なコミュニケーションの減少にあると指摘する。

「相手の顔が見えるとはいっても、細かい表情や対面の場合だとわかる様々なボディーランゲージなどが抑圧され、トータルの情報量が低下します」

 人は言葉だけで相手とコミュニケーションをとっているのではない。身振り手振り、ちょっとした仕草……。こうしたノンバーバルなコミュニケーションをトータルで判断する。それがオンラインでは見えづらく、その結果、言葉への依存度が増し、相手の声を聞き逃すまいと緊張感が高まりストレスや疲れを覚えるという。

 顔の距離も、対面とオンラインでは大きく違う。リアルな会議では、顔を近づけ合うことは少ないし、全員と真正面から向き合うわけではない。ところがオンライン会議では、ほんの40、50センチのところに全員の顔が真正面に並ぶ。これにプレッシャーを感じるという人も多い。

「オンラインは互いの目と目の距離が近い。その結果、自分の空間、すなわちパーソナルスペースが侵害されているように感じるのです」(橋元教授)

 もちろん、オンラインならではのメリットもある。上司も部下も同じように並ぶオンライン会議は、リアル会議よりもフラットで、率直に意見を言い合うのに向いている。日本ファシリテーション協会フェローで『オンライン会議の教科書』の著書がある堀公俊さんはこう語る。

「以心伝心、忖度、阿吽の呼吸。こうしたものに頼ってきた組織ほど、オンライン会議をうまく進めることができません。会議は組織の縮図。組織全体のコミュニケーションをトータルデザインするなかで、オンライン会議のルールを各社がそれぞれ設定する必要があります」

【寝ても疲れがとれない「デジタル時差ボケ」急増の理由】

 オンライン会議を活用せざるを得ない今は、新たなルールを作って組織を変えるチャンスだとも言う。

「そのためには、オンライン会議はリアルの代替ではなく、似て非なるものだと認識することが大切です」(堀さん)

 たとえば、リアルな会議ではわざわざ挙手をしなくても、その場の空気を読んで発言すればよい。だが、オンライン会議だと、発言が重なると音が重なり聞き取れなくなるため、一人が発言している間は他の人が発言できない。発言したい人は挙手してファシリテーターに指名されてから話し、話し終わったら「以上です」で締めくくったほうがスムーズだ。一人が長々と話し続けることがないように、「発言は要点をコンパクトに、1分以内で」と決めるのもいい。(編集部・高橋有紀、野村昌二)

※AERA 2020年9月7日号より抜粋

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「こんなこと普通できません」藤井聡太二冠がみせた“真逆の展開”に渡辺明名人が驚き

2020年9月7日 18:00 AERA/写真・朝日新聞社

 将棋の勢力図が変わりつつある。8月には史上最年少で藤井聡太二冠(18)が誕生した。棋聖戦で藤井二冠に敗れるも、このほど悲願の名人を戴冠した渡辺名人(36)は、彼をどう見ているのか。AERA 2020年9月7日号では、藤井二冠との対局も含め、渡辺名人にじっくり話を聞いた。

【目指すのは藤井聡太?井山裕太? 将棋と囲碁、わが子にはどちらがいい?】

*  *  *
──王位戦の決着局になった第4局の初日の封じ手に、藤井二冠が選択した8七同飛成という手を驚く向きが多かったです。

 あれは普通の手で驚くようなことではないです。飛車を切るか逃げるかの二択しかないので、その人の棋風によります。あの対局に関して言えば、地味な正解手を積み重ねていくことで差を広げていった。そこが彼の技術であって、「この一手がすごい」というのはあの将棋に関してはありません。

──棋聖戦第2局で話題になった、渡辺さんの攻めに対する3一銀という受けも、AIで6億手読んで初めてわかる最善手ということで話題になりました。

 あの手は発見しづらいけれど、元々受けが好きな人であれば見つけられるかもしれないという手です。ただ、今回の棋聖戦で言えば、僕は1局目は鋭い終盤戦の攻めで負けて、2局目は逆に受けの手で負けるという展開になりました。攻めと受けを両方できるのが彼のすごいところ。攻めか受けかというのは棋風なので、受けの人は受けの手から考え始めると正解のゾーンにたどり着く可能性が高くなる。逆に、本来攻めなきゃいけない場面で受けの手を考えてしまうので、そういう場合は正答率が下がる。ところがその真逆の展開を両方やっちゃうのが彼の特筆すべきところなんです。こんなこと普通できません(笑)。

──高校生にして追われる立場になり、周囲が藤井二冠目掛けて対策を講じることになります。

 対戦相手になれば、そうなりますね。しかし目に見えた弱点はないので、その人なりに特化した作戦をどう練るか。あとは相手に毎回「負けてもともと」みたいに気楽にぶつかってこられるときついでしょうね。全部ストレートのタイミングで思い切りバットを振られて、当たればラッキー、三振して当たり前みたいな感じで。そういうところで、対戦相手にとって彼が「格上」になったことでどうなるかぐらいでしょうね、懸念材料というほどでもない。

──渡辺名人とはこれから何年も名勝負を繰り広げていく間柄に突入したわけですが、彼に対して突破口になるような秘策はありますか。

 いや、今のところないです。だってまだ考えてないですもん(笑)。変な話、対戦相手にならない限り考えることはないです。そんなことを考えるなら、次の対戦相手の研究をします。

──しかし、非常に面白くなりましたね、将棋界。

 見てる人はそうでしょうけど、やってる方は大変ですよ(笑)。

──失礼しました。最後に新名人に今後の抱負を。

 個人的な目標はすぐには浮かびませんが、36歳という年齢を考えればタイトル戦に出られるのもそう長くはないので、その中で藤井さんとの戦いでもどういうふうに指していくべきか。ただ、自分としては今、いい時期にあるのでこの何年かは頑張りたいと思います。いつからピークと見るかは難しいですけど、一応まだそれが続いている。タイトル戦に出られなくなればピークも終わりですけど、正直2年先がどうなっているかわからない。今これだけやっているから、5年間は安泰という世界ではありませんから。

(構成/編集部・大平誠)

※AERA 2020年9月7日号より抜粋

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小島慶子「“美白”は差別か美容か 美意識に潜む先入観」

2020年9月7日 18:00 AERA

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

*  *  *
「美白」は差別か。化粧品会社が「ホワイトニング」という表現をやめる動きがあるそうです。あなたは美白化粧品を使っていますか? 差別と聞いて、意外に感じますか?

“白い”肌が望ましいというメッセージは、肌の色の多様性を否定し、メラニン色素の薄い肌をそうでない肌よりも優位に位置付けて、結果として白人優位主義的な価値観を強化することになる。そう言われたら「いや、そんなつもりで使ってないし、人種差別もしていない」と答える人がほとんどでしょう。

 私も美白化粧品を使っており、レーザーでシミを取っています。でも、白人になりたい!と思ったことはなく、そのために美白をしているのでもありません。シミがない状態を望ましいと思うのはなぜか。あってもいいじゃないか。それはいつも、エイジズムの観点からの自問です。加齢をネガティブに捉え、年齢で人を差別する気持ちがあるのかも?と。真新しい状態を望ましいとするケガレを嫌う習慣の影響や、潔癖性的なこだわりもあるかもしれません。でも、人種差別を助長する価値観が潜んでいるとは自覚していませんでした。

 私の瞳は焦げ茶色です。もし、「美青」が美容の基本だったら。目の色を薄くする商品や青い瞳を強調する画像があふれ、虹彩の茶色いシミを嘆く光景が当たり前だったら。世界には茶や黒の瞳の人が虐げられてきた歴史があり、今も瞳の色を理由に構造的に不利な立場に置かれ、差別や偏見と闘っているとしたら。私にとって「美青」はどんな意味を持つだろう。

 ただの美容だよ、と私よりも薄い色の瞳の人は言う。「私たちの目だって青じゃなくて灰色だしね。でも誰も茶色や黒を差別なんてしてないよ。“美青”は、ただの好みだよ」と。

 あなたの目は、肌は、何色ですか。何色だったら、美しいのでしょうか。

○小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

※AERA 2020年9月7日号

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マスク義務化で保健当局責任者が「命の危険」感じる事態に…米国で着用めぐり分断深まる

2020年9月4日 18:00 AERA

 トランプ氏やその支持者がマスクを嫌い、着用派との対立が先鋭化している米国。激しい対立の背景には何があるのか。

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「手術を終えたばかりの兵士らと話すような特殊な環境で、マスクを着けるのは素晴らしいことだ。私はマスクに反対したことはない」

 米国のドナルド・トランプ大統領が公の場で初めてマスク姿を見せたのは、首都ワシントン近郊の米軍医療施設を訪れた7月11日だった。トランプ氏はこう述べて、それまでの「反マスク」の態度を軟化させたかのように見えた。

 新型コロナウイルスが流行して以降、米社会はマスク着用への賛否で激しく分断した。構図はおおむね、「保守対リベラル」「トランプ対反トランプ」と重なる。この分断は、冒頭の発言で収まるほど表面的なものではなかった。

 8月13日、大統領選で民主党候補となったジョー・バイデン前副大統領が、全国民が少なくとも3カ月は外出の際にマスクを着用することを求めた。するとトランプ氏は「非科学的」と非難し、こう述べた。

「我々はある程度の自由を望む」

 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国では19日夜までに約548万人の感染者を出し17万人以上が死亡したが、マスクをめぐり各地で反対運動が起きた。5月には、中西部のミシガン州の日用品店で、着用をめぐり警備員の男性が射殺される事件まで起きた。

 カリフォルニア州オレンジ郡在住のジャーナリスト、志村朋哉さん(37)は、6月に地元であった出来事を思い出す。

「郡の公衆衛生長官が突然、辞任したのです。自宅まで押しかけられて、抗議デモを行ったマスク反対派の人たちに脅されたようです。命の危険を感じたのでしょう」

 同州では3月中旬から約2カ月間、都市封鎖が行われた。解除後の5月22日にオレンジ郡が店舗や職場、6フィート以上のソーシャルディスタンスを確保できない場所ではマスクを着用することを義務づけ、これに保守派の人たちが激しく反発した。

「選挙で選ばれたわけでもない保健当局の責任者の自宅にまで行って脅すのは、オレンジ郡の反マスク運動の象徴的な出来事でした。マスク着用に反対している人たちは、私が取材してきたトランプ氏の熱狂的な支持層と重なっています。彼らはマスクをしないことでトランプ氏への支持を表明しているようにも見えます」(志村さん)

米国でマスクは“弱さと悪の象徴”? KKKや西部劇の強盗との意外な関係とは

 全米郡市保健当局協会(NACCHO)によると、6月上旬までに地方の保健当局の責任者が辞職に追い込まれるなどした例が少なくとも27件あった。

 反発はどこから来るのか。北海道大学の結城雅樹教授(社会心理学)はこう説明する。

「しばしば指摘がありますが、自由の侵害ということがあると思います。慣れていないマスクを『しなさい』と命令されているわけですが、米国人、中でも特に共和党支持者はこうした形の行動の強制をすごく嫌がる傾向があります。権力からの自由というのは、アメリカの国是の一つでもあります」

 その上で、マスクへの賛否が政治思想に影響を受けていることを示すデータもある。

 米世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が6月に4708人の成人を対象に行った調査では、71%の人たちが公共の場では「いつも」、あるいは「ほとんどいつも」マスクを着用するべきだと考えていた。6月といえば、米国では南部を中心に再び感染者が増加傾向となった時期で、多くの人たちがマスクを受け入れ始めたようだ。だが、注目は共和党と民主党の支持者の考え方の違いだ。

 共和党の支持者と共和党寄りの人だけで言えば、52%の人が「いつも」か「ほとんどいつも」を選んだが、民主党の支持者と民主党寄りの人では、86%に達していた。

 前出の志村さんによれば、オレンジ郡ではその後マスクの着用令は撤回されたが、州知事があらためて着用令を出した。ところが、取り締まりを担当するのは自治体の警察や保安官で、オレンジ郡では「取り締まりに力を入れているという実態はないようです」(志村さん)。絶妙なバランスで“分断”や“自由”が担保されているようだ。(編集部・小田健司)

※AERA 2020年8月31日号より抜粋

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コロナ時代の移住先ランキング関東1位は「群馬県で3番目に小さい町」 東北は?

2020年9月4日 18:00 AERA

 コロナ禍が生んだ数少ないプラス面。それは通勤せず家で働くテレワークの普及だ。結果、都心から移住を検討する人が増えている。では、どこに住めばよいのか。アエラは、コロナ時代の後悔しない移住先ランキングを調査した。ここでは北海道・東北エリア、関東エリアの結果を紹介する。

*  *  *
 憧れやイメージだけで移住先を決めてしまうと、現実とのギャップに「こんなはずじゃなかった」となりかねない。そこで今回アエラは、不動産の目利きであるSUUMO編集長池本さんと、移住の専門家である移住情報誌「TURNS」プロデューサー堀口正裕さん(48)の2人に協力を依頼。コロナ時代の「後悔しない移住先」を見極めるために重要な八つの指標を決めた。

 まず池本さんが挙げたのは「広い家に住める街」だ。池本さんは「オフィスの役割が住まいに入ってくるわけですから、ワークスペースを確保できる広い住まいが必要になります」。

 二つ目は「大規模商業施設が充実した街」。様々なエリアが住民からどれぐらい愛されているかを調べたSUUMOの調査によると、大規模商業施設がある街は「住民からの愛され度」が高いという傾向が、特に郊外の街で顕著だったという。

 三つ目は「カルチャーを感じる施設がある街」。こちらも「愛されている街」の調査で、愛され度に大きく影響する項目だったという。池本さんは「ウィズコロナの時代、自宅周辺の滞在時間が長くなるので、そのエリアにカルチャー要素が充実しているかも大切です」と話す。

 四つ目は「将来伸びる街」。人口が増えていく街では暮らしの利便性が増していくことが期待できるし、不動産を購入した場合は将来価値にも影響する。池本さんは、「商業集積のある中核駅よりも、その恩恵を受けながら静かで広い家を確保しやすい“中核駅の隣町”がこれからの狙い目かもしれません」と言う。

 ここからは、移住の専門家である堀口さんに聞いていこう。

 五つ目として堀口さんが挙げるのは、「子育てのしやすい街」。「少子高齢化の人口減少時代だけに、子育てしやすい街であることは絶対条件」と指摘する。子育てだけではなく、女性を大切にする街なら安心して住めると話す。

 六つ目は「治安のいい街」。自宅やその周辺にいる時間が長いコロナ時代だけに、安心して暮らせる環境は極めて重要だ。子育ての面でも、「過疎化や少子化で学校の統廃合が進み、通学時間が長くなっているだけに、街全体で子どもたちを見守るような仕組みができていないと心配です」(堀口さん)。

 七つ目は「医療体制が充実した街」だ。新型コロナの感染拡大はどこで起きてもおかしくない。医療崩壊が懸念される時代、「いざという時に近隣市町村を含めて通院できる病院があるかどうかは絶対にはずせないチェックポイントです」(同)。

 最後、八つ目は「災害対応や行政サービスが期待できる街」だ。「何十年に一度という災害が毎年のように起こる時代ですから、過去に地震や水害を経験するなど、対策を学んでいる市町村が安心ではないでしょうか」(同)。一方、近年は局地的な豪雨が増え、災害がどこで起きるかを予測するのは極めて難しい。もしもの場合にしっかりと対応できる体制作りや財政力を備えた自治体を選ぶことが一つの備えになりそうだ。

 一方、通常の移住では重要とされる移住先での就労先や自治体の移住支援策などは、項目に入れなかった。テレワークを伴うことが多いコロナ時代の移住では、これまでとは違う指標を重視する必要があるのだ。

 これら8項目について、アエラは公表されている統計データから東京都内と政令指定都市を除く1659市町村について数値を算出し、エリアごとにランキングを作成した。

 それでは、地域ごとのランキングを見ていこう。

 まずは北海道・東北だ。「買い物」や「医療」が充実し、財政的にも豊かなことが多い県庁所在地が上位に挙がるのは、他のエリアでもみられる傾向だ。そんな中で1位に入ったのが、宮城県岩沼市だ。仙台市の玄関口的な役割で、市東部には仙台空港があり、JR東北線と常磐線が岩沼駅で交わって仙台市につながっている。

 東日本大震災の津波で大きな被害を被ったものの、「保育所が再開されるなど、復興著しく、その象徴が『千年希望の丘』です」(さわやか市政推進課)。移住者の受け入れにも力を入れ、人口も増えている。八つのテーマのうち、「災害・行政」は9点。災害対策が整備されているのは心強い。

 同点1位の秋田市は人口30万人超、東北日本海側最大の都市で、秋田新幹線、秋田空港で東京などへダイレクトにつながる。大規模商業施設が充実し、「買い物」は10点満点。秋田大学医学部附属病院、秋田赤十字病院など「医療」の充実度も高いポイントを得ている。

 続いては関東。トップは群馬県吉岡町だった。

 県庁所在地の前橋市に隣接し、群馬県最大の都市である高崎市とも近い。群馬県で3番目に小さい町だが、吉岡バイパスなどの幹線道路沿いには大型の商業施設が並んでいて、最近もドン・キホーテの群馬吉岡店がオープン。豊かな自然と町の将来性を評価して首都圏などから移住してくる人も少なくない。町企画室は「通勤に便利で、町内に大きなショッピングセンターもあって、買い物にも便利で、人口が増加しています」。

 2位の千葉県柏市は人口40万人を超え、JR柏駅の周辺には百貨店や大規模商業施設も多い。一方、つくばエクスプレス沿線は柏の葉キャンパス駅を中心に大学、研究所などが並ぶ文教エリアで、子育て世代の流入が目立つ。

 同点2位の神奈川県開成町は関東で最も面積が小さい町だが、駅前には大手スーパー、幹線道路沿いには家電などの量販店が並び、人口も増えていることがランキングを押し上げた。

 4位に入った埼玉県三芳町は、ホームページで「東京から一番近い町」をうたっている。同町秘書広報室は「東京から30キロ圏内にありながら、ホタルが見られるなど自然豊かな“トカイナカ三芳町”。農業が盛んで落ち葉堆肥農法は日本農業遺産に認定されています」とアピールする。(住宅ジャーナリスト・山下和之、ライター・吉松こころ)

※AERA 2020年8月10日-17日合併号より抜粋

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沖縄・少女暴行事件から25年 県民の怒りで「普天間返還」契機になるも…変わらぬ現状

2020年9月4日 18:00 AERA

 沖縄の女児が3人の米軍人に暴行された1995年9月の「少女暴行事件」。事件の衝撃は県民の怒りに火をつけ、日米安保体制を足元から揺るがした。あれから25年。浮き彫りになった課題は置き去りにされたままだ。AERA 2020年9月7日号で掲載された記事から。

*  *  *
 1995年10月21日。沖縄県宜野湾市の「県民総決起大会」の会場は押し殺したような怒りと重苦しさに包まれていた。

 前月の9月4日におきた米海兵隊員ら3人による少女暴行事件に抗議するこの集会には、沖縄の本土復帰以降最大規模の8万5千人(主催者発表)が参加。事件は、72年の復帰後も在日米軍専用施設の7割超が集中する沖縄の負の断面を県民にまざまざと見せつけた。

 固唾をのんで見守る聴衆を前に、壇上の大田昌秀知事(当時)が最初に口にしたのは、被害者の少女に対する謝罪だった。

「行政の責任者として、いちばん大事な幼い子どもの人間としての尊厳を守ることができなかったことを心の底からお詫び申し上げます」

 会場でこのシーンを胸に刻んでいたのが沖縄県議の山内末子さん(62)だ。同県石川市(現うるま市)の市議に初当選してほどない時期だった。

「私も少女に『申し訳ない』という思いを抱きました。同時に、日常と隣り合わせの場で起きた事件に知事がこんな形で謝罪しなければならない沖縄の状況を『悔しいな』と、やりきれない思いも募りました」

■案じたのは少女の将来


 学習塾を経営していた山内さんは、3人の息子の子育ての傍らPTA活動にも熱心に取り組んだ。男性議員ばかりだった市議会に新風を、と白羽の矢が立ち、引き継ぐ地盤も組織の支援もない中、選挙を戦い抜いた。初の女性市議として一歩を踏み出したとき、日米政府をも揺るがす事件に直面したのだ。

 事件を知ったのは発生翌日。地元紙が報じる数日前だ。姉が経営するレストランの常連だった地元紙の記者から事件の概要を聞いた。「記事にしないといけないのか」。記者は、顔なじみで信頼関係もある山内さんに苦しい胸の内を明かした。

 現場は近隣自治体。被害者が小学生の少女であることに山内さんも強い衝撃を受けた。島社会は噂や情報が広がりやすい。案じたのは少女の将来だ。

「事件で受けた傷だけでなく、周囲の反応が生きづらさとなって彼女を苦しめ続けることにならないか。この子の将来を守らないといけない」

 事件を最初に報じたのはNHKだった。

 沖縄県警は当初、強姦事件の発生は発表していた。地元紙は当日のうちに米兵の関与を含む事件の概要をつかんだが、警察を通じ、「報道を控えてほしい」という家族の意向を伝えられたこともあり、報道を控えた。

 NHK沖縄放送局の県警担当記者も間もなく、「容疑者は米軍人3人」との情報を得た。当時、同局で沖縄県政を担当していた立岩陽一郎さん(52)によると、局内で「報じるべきだ」という人は少数派だったという。

「少女の人権に配慮し、報道は控えるべき」「事件を報じても全国ニュースにはならない」

 そんな声が中堅記者を中心に上がった。4年目の記者だった立岩さんも、局内のそうした声に同調しないまでも理解はできる、と考えていた。

 前年の94年。米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が住宅地近くに墜落する事故がおきたときも、全国枠では十数秒間のニュースで流されただけだった。

■沖縄世論が変わった


 しかし、F15の墜落や今回の事件がもし東京23区で起きたらどうだろうか。本当に報じなくていいのか──という疑問が立岩さんにはぬぐえなかった。

 前年まで県警担当だった立岩さんは気心の知れた刑事部長に面談し、事件を報じることも検討していると伝えた。刑事部長は表情をゆがめ、一言、「この事件は許せない」と吐露した。刑事部長は地元採用のノンキャリアのトップだ。立岩さんは「保守的な官庁の象徴ともいえる組織の地元トップが『許せない』と言う事件は、やはり許せないんだ」と受け止めたという。

 NHKは事件発生から数日後、米兵3人が容疑者に浮上していることを報じた。結果的に地元紙を先んじる形になったが、立岩さんは「特報したというより、書かないといけないという意識」だったと当時を振り返る。

 立岩さんは事件の背景にある基地問題の取材に取り組んだ。米兵の本音に迫ろうと、基地周辺でマイクを向け、「被害者は1人だけなのに、なぜこんなに騒いでいるのか」と語る兵士の声も収めた。リポートは全国中継で報じられ、スタジオのキャスターが兵士の発言を「不快」と憤った。主観を露わにしたキャスターのコメントは「NHK内部で物議を醸した」(立岩さん)というが、立岩さんには別の記憶も強く印象に残っている。

 数日後、取材で訪ねた県幹部の自宅を辞す際、幹部の妻が「NHKのキャスターさんが、あれほど沖縄のことを考えてくださって……」と涙をこぼしながら見送ってくれたのだ。

 一方、市議だった山内さんが想起したのは、55年の「由美子ちゃん事件」だ。幼稚園児が米軍人に性的暴行を加えられた上で惨殺、遺体は遺棄された。犯人の米軍人は逮捕され、軍法会議で死刑判決が言い渡された後、45年間の重労働に減刑。米本国に送還後はわからない。

 被害者の自宅は山内さんの実家の近くで、一家とは顔見知りだった。沖縄では広く語り継がれてきた事件だが、山内さんは高校生になるまで被害者家族が隣人であることを知らなかった。

「周囲の大人はそれぐらい、事件の話題をタブーにしていました」(山内さん)

 両親は一度も取材を受けず、近親者にすら一言も語らないまま亡くなったという。

 少女暴行事件がおきたのは、40年後の同じ9月の、わずか1日違いだった。発生当初、山内さんは被害者の心情を慮るばかりで抗議行動は頭に浮かばなかったという。沖縄世論の流れを変えたのは日本政府の対応だ。

「身柄が米側にあれば起訴まで米側が拘禁する」と定める日米地位協定17条を理由に、米軍は容疑者の起訴前の身柄引き渡しを拒んだ。沖縄で協定見直しの声が高まると、日本政府は早々に米側に見直しを提起しない方針を表明。上京して見直しを求めた大田知事を、外相は「いささか議論が走りすぎている」とはねつけた。

 大田知事はその後、米軍用地の使用に関わる代理署名拒否を決意する。代理署名とは、米軍用地への提供を拒む地主に代わって知事が代理で署名し、民有地の強制使用を可能にする手続きだ。知事がこれを拒否したことで、堅牢(けんろう)な日米安保体制を足元で支える沖縄の米軍基地の一部が一時、米軍による「不法占拠状態」となる事態を招いた。

■忘れ難い「東京行動」


 96年4月、日米が「普天間飛行場の5~7年以内の全面返還」を発表。これは大田知事の姿勢を軟化させる「切り札」だったとの見方もあるが、山内さんはこう指摘する。

「少女暴行事件を機に県民の怒りが大きなうねりにならなければ、日米政府は『普天間返還』に動かなかったはずです」

 だが、普天間返還は県内に代替施設を造ることが条件とされ、移設先は名護市辺野古沖に決められた。辺野古新基地建設は県民の分断と反発を招き、20年以上が経過した今も完成のめどは立っていない。山内さんは「本来普天間の危険性除去が目的だったはずなのに、辺野古に新基地を造ることが主になっている。本末転倒です」と嘆く。

 とはいえ、政府が「県外移設」を模索した時期もあった。民主党の鳩山政権は可能性を探ったが、結局「辺野古」に回帰した。「政権交代した暁には辺野古新基地建設がなくなる」との期待を抱いた山内さんは08年の県議選で民主党公認候補として当選した。だが、鳩山政権の挫折とともに、「約束が違う」と離党、無所属に戻った。

 14年11月には「辺野古阻止」を掲げる翁長雄志氏が知事に当選。保革を超える「オール沖縄」態勢を構築した。一方、沖縄県が政府と対立を深めるのに伴い、日本本土では「沖縄バッシング」が勢いを増していく。

 山内さんが忘れ難いのは13年1月の「東京行動」だ。

 沖縄県内の全41市町村長と議会議長らが署名した首相あての「建白書」を携え、県内の関係者らとともに東京・銀座でデモ行進した。建白書は、普天間飛行場の撤去とオスプレイ配備撤回、県内移設断念などを求める内容だ。この際、日の丸や旭日旗を持つ人々に囲まれ、「売国奴」と罵声を浴びせられた。

 山内さんが掲げる政策の柱に「命を守る」という項目がある。ここには建白書とほぼ同内容の要求がつづられている。

「沖縄で基地問題は命を守ることに直結します。基地に囲まれた生活空間で恐怖や不安におびえて生きる暮らしを本土の人たちは想像できますか」

 しかし、基地の過重負担は是正されないまま、悲劇が繰り返されてきた。16年4月、元米海兵隊員で当時軍属の男が、うるま市内でウォーキング中の20歳の女性を襲い殺害。遺体を雑木林に遺棄する事件が起きた。

■一番の弊害は外務省


 同年6月の県議選の選挙運動中、山内さんは集会などのたび事件に触れ、「県民の命を守れなかった」と頭を下げた。95年の県民大会での大田知事の苦悩の深さを再認識した。

 この25年は何だったのか──。事件で浮き彫りになった課題は、日米地位協定のゆがみと沖縄に偏在する基地負担だ。

 沖縄県は協定改定を求めているが、日米は運用改善での対応を重ねてきた。捜査に支障が大きく、95年の少女暴行事件で批判が高まった17条の規定についても、「殺人または強姦という凶悪な犯罪」で日本が起訴前に身柄引き渡しを求めれば、米側は「好意的考慮を払う」とする運用改善で合意した。

 しかし、県警OBからはこんな声も聞かれる。

「運用改善で捜査上の支障は解消されたように国は説明していますが、とんでもない。米軍は身内を守る意識が強く、一等国から来たという自負も強い。現場の捜査員は今も忍耐、忍耐の連続ですよ」

 容疑者の照会を依頼しても適当にあしらわれ十分な協力が得られなかったり、取り調べ中に弁護士でもない兵士が入れ代わり訪れ、接見を繰り返したり。捜査妨害としか思えない嫌がらせを何度も経験したという。

「米側から抗議を受けると、ささいなことでも外務省は敏感に反応し、捜査現場の末端までお叱りを受ける。捜査の一番の弊害は外務省でしたよ」

 沖縄に米軍を引き留めてきたのは日本政府だ。この内実は、米国の元政府高官のインタビューや米公文書が機密解除されるたび浮き彫りになっている。

 前出の立岩さんは忸怩(じくじ)たる思いを吐露する。

「事件の背景にある、沖縄の過重負担を何とかしなければならない、というところにまで議論が進まなかったことは認めざるを得ません。被害者は今もトラウマを抱えて生きているはずです。その重みを我々がどう受け止めるか……」

「報道したことの正義」とは何だったのか、考えをめぐらせ、立岩さんは言葉をつないだ。

「こうした個人の悲劇という『屍(しかばね)』をあと何回、乗り越えなければならないのか」

(編集部・渡辺豪)

※AERA 2020年9月7日号

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教育のプロが語る“コロナ離婚”の意外な原因 「子育ての軸」を持たない夫婦は弱い

2020年9月4日 18:00 AERA/photo・istock

 新型コロナウイルスの影響で長く続いた自粛生活。この期間に、家庭でもいろいろな問題が起こりました。花まる学習会代表・高濱正伸先生は、「今こそ夫婦で話し合いを」と言います。それはどうしてでしょうか?「AERA with Kids秋号」で紹介している、高濱正伸先生の誌上セミナーの一部を公開します。

「消毒しない」「旅行したがる」能天気な夫…妻との“コロナの意識差”で家庭不和に

*  *  *
 今や人生100年時代と言われています。テクノロジーもどんどん進化しているし、環境も変わるし、今回のコロナのような思いもよらないことも起きる。今の子どもたちが大人になる10~20年後にどんな世界になっているか、どんな職業が「食っていける」のか、そんなものは誰にもわからない。これからの人生に正解はないんです。

 正解はないからこそ、大切になってくるのは、やはり家庭のあり方だと思うんです。そして「わが家はこれでいこう」という軸が必要になってくる。

 新型コロナウイルスの影響で長く自粛生活が続いてきたこの期間に、家庭で起きたことのひとつに夫婦関係の変化がありました。いわゆる“コロナ離婚”と言われる問題が、ゴロゴロ表に出てきました。

 ところが逆に、仲が良くなる夫婦もいたんです。夫婦関係はもはや二極化したと言ってもいいくらい、はっきりと運命が分かれました。

 “コロナ離婚”といっても、実はコロナのせいじゃない。離婚に至る原因でいちばん多いのは何だと思いますか?

「常識の違い」なんだそうです。

 食事など普段の生活のマナーもそうだし、人に対する礼儀とか「当たり前のことが、なんでできないの?!」とか「これが当たり前の考えだと思っていたのに何でこうも違うの?」とか。「常識の違い」から湧く怒りは根が深い。ふだんは見て見ぬふりができていたのに、このコロナの非常事態で「バーーン!!」て爆発しちゃったんですね。

 そもそも違う家で育った二人が夫婦になって子どもを持ったら最初にやるべきことは、家庭内の常識を一致させること。どっちの家に従うってことではなくて、子どもを含めた新たな家族の、新しい常識を作るんです。

 それをしないと子どもが赤ちゃんの頃はいいかもしれないけれど、子どもにしつけが必要になったとき、進路を決めるときになったとき、方向性がブレブレになってしまう。

 例えば、父親は地方の公立校出身で母親は中学校から私立に行っていたりするケース。母親は当然中学受験をさせたいと思うけれど、父親は「私立なんて行く必要はないだろう。会社だって役職につくのは公立出身者が多いし」と言ったり。それに対して母親は「やっぱり中高一貫行くと勉強の環境がよくて、いい仲間もできるよ」と言ったりする。

 まさにそれが常識と常識のすれ違い、ということです。私も進路指導をしていたとき、夫婦の意見が一致しない家庭を山ほど見てきました。

 それまでにきちんと話し合うことをしてきていないと、一方的に「俺はこう思う」と自分の常識だけを主張して、それが正しいと疑わなかったりする。すり合わせなきゃいけない、ということすらわかっていない。そうなると、「あの人には言ったところでムダ」となり、ますます話し合いから遠ざかる。だんだん亀裂が深くなると、もはや話し合うこと自体がムリ、という恐ろしい将来になってしまうのです。

 今まで夫婦で話し合いをあまりしてこなかった人にとってはとても耳の痛い話かもしれません。

 でも、今からでも遅くない。むしろ今こそ話し合いのチャンスだと思うんです。このコロナの時代だからこそ、話し合うべき問題が新たに出てきている。例えば今後もコロナが収まらなかったとき、学校は今まで通り行かせるのか、休ませるのもありなのか。塾や習い事の合宿などは出席させるべきか、否か、とか。危機的状況こそ話し合いのチャンスだと思います。

 とはいえ、夫婦の話し合いは難しいのも事実。

 たとえ結婚して、同じ家に住んでいても男と女は完全に分かり合うことはできない。だからといって完全に諦めるのではなく、無理に合わせるのでもなく、まずは「そういうものだ」とお互いに認めることが大事。

 つまり夫婦で意見が違うなら違うで、相手はどうしてそう考え、行動するのかを考えてみる。相手を否定する前に異性の言動の特徴を知ったり、自分を客観的に見てみるようにしてください。この二つがあるだけで夫婦のコミュニケーションはグンと高まります。(構成=AERA with Kids編集部)

※「AERA with Kids秋号」から

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浜辺美波 好物は意外と渋い海産物 俳優として憧れるのは原節子!

2020年9月4日 18:00 AERA

 今夏に主演ドラマ「私たちはどうかしている」の放送を控える浜辺美波さんがAERAに登場。ドラマや映画など話題作への出演が続く浜辺さんが現在の活動にかける想いを語った。

*  *  *
 リラックスした様子で、スタッフとあいさつを交わした。撮影中、食べたいものを尋ねられ、「もずくとお刺し身」と即答した。意外と渋い。

 2011年、11歳でデビューした。映画「君の膵臓をたべたい」(17年)をはじめ、「センセイ君主」(18年)、「賭ケグルイ」(19年)など、近年は話題作への出演が続く。夏には、横浜流星とW主演を務めるドラマ「私たちはどうかしている」が控えている。

 新型コロナウイルスの影響による外出自粛期間中は、家でのんびり過ごした。

「アニメや韓国ドラマの『愛の不時着』を観たり、お料理が好きなのでネットで検索して作ってみたり。あと、ミサンガ編みにもハマっています。まだ一つも完成してないんですけどね(笑)」

 20歳を迎える前に、落ち着いて考える時間ができたことは、「これからの自分のためによかったと思う」と言う。

 久々に「君の膵臓をたべたい」を観て、考えたことがある。

「たった数年前の作品ですけど、いまの自分とは別人かと思うほど違って見えて、あの年齢のあのタイミングでしか、たくさんの人に刺さる作品にはならなかった気がして。私にとっては奇跡のような作品だったと改めて感じました」

 事務所に入ったころ、「わが青春に悔なし」(1946年、黒澤明監督)を観て、原節子の姿に心を奪われた。

「すごくきれいで、モノクロなのに瞳が輝いて見えて、『これが真ん中に立つ人の姿なんだ』と思ったのをよく覚えています。そういう、人を惹きつける魅力のある人になりたい。まだまだ未熟なので、先輩方の背中を見ながら、いまの年齢だからこそできることをやり尽くしたいです」

(編集部・藤井直樹)

※AERA 2020年6月29日号

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キンプリ岸優太が今欲しいものは「貯金の数字」に込めた意味 メンバーは爆笑!

2020年9月4日 18:00 AERA

「みんなで楽しめる場所」という意味が込められたセカンドアルバム「L&」を9月2日に発売するKing & Prince。小中学生向け月刊誌「ジュニアエラ」9月号は、彼らにアルバムのこと、今、欲しいものなど、いろいろな話をインタビューした。

【キンプリ平野「食っちゃ寝」】

*  *  *

――1年2カぶりにアルバムが発売になりました!


平野紫耀 うれしいですね~。アルバムを聴いて、みんなに元気になってもらいたいという思いを込めて作ったので、少しでもハッピーになってもらいたいですね。

永瀬 廉  「&LOVE」をはじめ、いい曲ばっかりですからね。このアルバムの中から一番好きな曲を決めるの、すごく難しいと思います。

神宮寺勇太 タイトルにも、このような状況だからこそ、僕らとファンのみなさんで楽しめる場所を作ろう、という思いがこもっています。「ランド」を「L&」と表記するアイデアは海人と僕で考えたんだよね。

高橋海人 そう。言葉遊びをしたいなと思って。「L&」だと、いろいろな含みも持たせられますからね。ジンに電話して「こういうの思いついたんだけれど、どう?」「いいじゃん、いいじゃん」みたいな感じでどんどん決まって。すごく楽しかった。

岸 優太 そういう素晴らしいアイデアを出してくれる仲間がいるので、僕は本当に助かっています(笑い)。ぜひ聴いていただいて、ライブのときはどうなるのかなとか、想像を膨らませてほしいです。楽しんでいただけたらなと思います。

――タイトルにちなんで「今、お気に入りの場所」は?


神宮寺 う~ん……前はみんなと一緒にくだらないことを言い合ったり、ゲームをしたりする楽屋がお気に入りの場所だった気がするけれど……。最近は、新型コロナの影響でバラバラなんですよね。

高橋 そうなんだよねぇ。あ、そんなジンにおススメのものがある。僕、先週ハンモック買ったんだけれど、すごくリラックスできるよ! ま、場所もかなり取るけれど、本当にみんなにおススメしたい。

平野 いいね。でも、俺はトイレかな。なんか落ち着くの。あたたかいし、便座が。狭い空間が好きで、前にもハマったんだけれど、2回目のブームが来ています。

永瀬 俺はベッドの上ですね。落ち着くし、一日をリセットするという意味でも好き。仕事がなかったら、朝起きた後でも1、2時間はベッドの上で過ごしています。

岸 俺は、やっぱりLAっすね~。

永瀬 やっぱりって(笑い)。

岸 まだ2、3回しか行ったことがないですけれど、湿気がなくてカラッとした空気感が最高で。コロナが終息したら、絶対また行きたい! 

――デビューから振り返って、大失敗したことやピンチだった思い出は?


岸 デビューが決まって最初の取材に遅刻したことは忘れられない大失態ですね。言い訳させていただくと、渋滞に引っかかってしまったのですが……着いてすべての人に謝って。みんな笑って許してくれましたけど、あれは一生忘れないと思う。

神宮寺 俺はもう、失敗の連続ですよ。コンサートが終われば、もう少しこうしたほうがよかったなぁとか反省することばかりだし。でも、それをメモに残したりして、その失敗がいつか成功のもとになるとポジティブに捉えるようにしています。

高橋 ライブと「ブラック校則」の撮影が完全にバッティングしたときはピンチだったな~。ライブでも覚えることがたくさんあるなか、セリフ量がすごく多いんですよ。どうやって乗り越えたか? もう、気合のみ! でも、大変な環境を楽しんでいるところもありましたね。

平野 う~ん……俺、覚えてないんだよなぁ。忙しいからとかではなくて、基本、昨日食べたごはんとかも覚えていない(笑い)。俺の体が、昨日のことはもう考えるなという作りになっているんだと思います。

永瀬 俺も一緒ですね。何か失敗をしても、2、3日は……いや1、2日は、寝る前とかに「うわ~、そういえばやってもうたな」とか思い出すけれど。あ、でもありました!「音楽の日」に出演させていただいたときに、「koi-wazurai」で最後、片足を立ててポーズ決めるときに、一人だけよろけてしまいました(笑い)。初めてのミスです。

――今、一番欲しいものは?


岸 僕の場合は、貯金の数字ですよね。

全員 (爆笑)

高橋 やめて、そういうこと言うの!

岸 違う違う、お金が欲しいとか、そういう話じゃないよ! 僕にとってその数字は、ゲームのHPとかライフみたいな感じなんですよ。減ると元気がなくなるし、増えると元気になる。お金とはそういうものだよ、って、ジュニアエラの読者のみなさんにも伝えておきたいですね、大切なことなので。

永瀬 俺は新しい趣味。最近は前ほどゲームをしなくなったから。でもゲームほどハマれるものがなくて困っている。探すとなると、意外と難しいんですよ。

平野 俺はリラックス方法ですね~。休みの日に地元に帰ったり、自然が多いところに行ったりすることが一番リフレッシュできるんですけれど、今は移動が難しいから、困っています。

高橋 ゆっくりお風呂に入るとかは?

平野 しないかな。寝ることが大好きなので、お風呂入る時間があったら寝たい。だから、リラックスできる方法を見つけるのが今の目標。

神宮寺 俺は少し気が早いけれど、どこかのタイミングでソロ曲が欲しいかな。作詞作曲をするのが夢だったけれど、それが今回かなったので、次の目標として。

高橋 いいね。じゃあ、僕は「技術」。ダンスも歌も演技もトーク力も、すべてにおいてもっともっとうまくなりたいから。そういう意味で、誰も妥協せずに努力し続けているメンバーなのがうれしい。僕ら、まだ3年目ですから、これからももっともっと向上できるように頑張ります!

(ライター・大道絵里子)

※月刊ジュニアエラ 2020年9月号より

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岩田健太郎「世界を知らない」という自覚が感染症のプロを生んだ<現代の肖像>

2020年9月4日 18:00 AERA

 ダイヤモンド・プリンセス号の感染症対策を告発する動画を公開し、一躍知られるようになった。「失敗したことではなく、責任者が失敗と向き合えないことが問題だ」とこの国の本質的な問題を突く。真実を前に一切忖度しない感染症の専門医は第一人者か、アウトサイダーか。
AERA 2020年9月7日号に掲載された「現代の肖像」から一部紹介する。

*  *  *
 26年前の8月、長野県の乗鞍で医学生向けの一風変わったセミナーが開かれた。全国の微生物学の教授たちが、自分たちの身銭を切って合宿施設を手配し、有志学生を集めて行った感染症についての勉強会であった。今でこそ、新型コロナウイルスの出現で微生物研究は医学界のトッププライオリティだが1990年代前半は感染症を学ぶことはもはや時代遅れ、という考えが一般的であった。医学生たちの大半ががんや生活習慣病の研究に流れていく中で、このままでは微生物学に関心を持つ学生が途絶えてしまうという危機感のもと、同学を専門とする教授たちが、若い学究をリクルートしようと開いたものである。順天堂大学の教授・平松啓一を筆頭に当代随一の講師たちによる最新微生物学の講義が惜しげも無く行われた。

 なぜ、今頃、感染症なのか? これをやって出世やカネになるのか? そこに即物的な解答は無い。それでもジリ貧とさえ言われたジャンルの学問を学ぼうとしただけあって、全国からやってきた18人の学生はいずれも個性的な若者で、そのひとりに島根医科大学(現島根大学医学部)の4年生、岩田健太郎(49)はいた。

 産業医科大学5年生でこのセミナーに参加し、今は職業性感染症学の権威として労働安全衛生総合研究所統括研究員の任にある吉川徹は振り返る。

「乗鞍セミナーは先生方の熱意と感染症の世界の面白さから、その後の医師としての人生に大きな影響を受けました。学生たちもユニークでしたが、中でも岩田さんはあの頃から、抜きん出ていました」

 岩田の、どんなところが抜きん出ていたのか。

「英語のレベルが高くて他言語の文献からも情報を得て物事の本質を考えていた。医学は本来、美術や哲学、自然科学などすべての基礎学問の土台の上に存在するものですが、日本では偏差値重視で医学に入ってしまうので、その大事な分野が薄いまま医者になる人が多い。そんな中で彼は、必要なリベラルアーツがしっかりとあったわけです」

 特に感染症は……、と吉川は続ける。

「特に感染症は、人の生活にものすごく関わります。生き死にはもちろん、家族や社会とのつながりに大きな変化をもたらす。生活すべてに関わるわけで、芯がある岩田さんがその道に進んだことは大きいと思います」

 感染症のプロは、世の中の様々な価値観を念頭に置いてその中で感染症を考えないといけないというのが、岩田の持論である。ジャズのプロはクラシックとの違い、あるいは絵画などとの類似を語れる。感染症のプロもコロナ対策と経済も両方考えて、社会の中でコロナの問題を相対視できないとダメなのだと言い続ける。

 だから、岩田の関心領域は今でも多ジャンルに及ぶ。デスクには、常に読みかけの本が積まれているが、2020年8月のそれは、ウディ・アレンの評伝、ルソーの哲学書、日本の古典小説、数学の専門書など6冊、これらを同時並行で読んでいく。時間が空くと、語学学習に余念なく、これも6カ国語を1・5倍速で耳に入れる。日課にしているジョギングも必ず、好きな春風亭一之輔の落語を聞きながら走るのだ。

 しかし、一秒も時間を無駄にしない日常についてストイックと他者から修飾されると首を振る。

「僕は自尊心が低いからなんです。田舎育ちで世界を知らないという自覚があるんです。だからそれを知りたいという欲望に転化する。調べれば調べるほど、分からなくなるからまた学ぶんです」

(文・木村元彦、撮影・植田真紗美)

※AERA 2020年9月7日号から抜粋

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