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「まさか、家をなくすとは…」コロナで住宅ローン払えずに競売通告 年末にさらに増える見込みも

2020年10月19日 18:00 AERA/撮影・戸嶋日菜乃

 新型コロナの影響から住宅ローンを払えなくなる人が増えている。それに伴い、任意売却や返済条件の見直しを迫られる人も多い。人間にとって大切な生活の基盤が今、揺らぎ始めている。AERA 2020年10月19日号はその実情を追った。

【家賃4万7千円のアパートに暮らす「統計王子」の自制心 衆議院議員・小川淳也<】

*  *  *
「まさか、家をなくすとは思ってもみませんでした」

 イベント関連の運送会社でドライバーをしている埼玉県の男性(48)は、言葉少なに語る。

 男性は20年ほど前に埼玉県内に2700万円のマンションを購入し、住宅ローンを組んだ。月給は約26万円で、月々の支払いは約12万円。母親と2人暮らしで余裕はなかったが、順調に返済できた。

 そこに新型コロナウイルスが直撃した。

 3月に入ると大規模イベントは軒並み中止となり、会社の業績は悪化。男性の給与は減らされ、手取りで月20万円近くにまでなった。転職したくても50歳を前にして仕事はない。今の職場で働くことにしたが、貯金はなく、4月になると住宅ローンを払えなくなった。ローン残高は1500万円近くあった。

 収入が戻らなければ自分の力ではどうにもならない。6月、借り入れた銀行から競売通告の書類が自宅に届いた。

■任意売却の相談が増加

 ついにきたか──。

 男性は少しでもいい条件でマンションを売りたいと思い、任意売却を決めた。

 任意売却とは、住宅ローンが残っている状態で金融機関の合意を得て通常の方法で売却し、その代金によって残債務を解消する方法だ。市場価格よりかなり安く落札される競売と異なり、有利な条件で売却できるメリットがある。

 先の男性は、マンションの買い手が見つかれば立ち退きとなるので、今はマンション近くで家賃の安いアパートを探しているという。男性はこうこぼす。

「家をなくさないために、仕事を頑張って働いてきたのに」

 住まいは、人間が安心して生活をする上で最も大切な基盤だ。その基盤が今、コロナによって失われようとしている。

 任意売却を専門に行う不動産会社「明誠商事」(東京都)の飛田芳幸社長によれば、「住宅ローンが払えなくなった」という深刻な相談は8月以降、急激に増えたという。

「7月ごろまでは1人10万円の特別定額給付金や貯金などで何とかしのいでいたのが、それも使い切り、夏のボーナスも出なかったのでローンが払えなくなった人が多く見られます」

 同社には、任意売却の相談だけで月30~40件あり、コロナ前より10件近く増えた。30代、40代が多く、業種はコロナ禍で大打撃を受けたエンタメや観光、飲食関係に勤める人が多い。

「コロナ禍で倒産が増え続けているので失業者はさらに増え、これから年末にかけ住宅ローンが払えなくなるという人は多くなると思います」(飛田社長)

【コロナで深刻化する「8050問題」 生活困窮の相談40倍…親も失職「もう支えられません」】

■返済条件見直しに柔軟

 住宅ローンを扱う独立行政法人「住宅金融支援機構」によると、全国のコールセンターに寄せられたコロナに起因する住宅ローンの条件変更の相談は、2月から8月までの間に計3360件。当初は高齢者や自営業者が多かったが、最近は若い会社員からの相談も増えているという。同機構では返済期間を延長して月々の返済額を減らすなどの対応を行っていて、担当者はこうアドバイスする。

「審査はありますが、コロナ禍でもあるので、多くの金融機関が返済条件の見直しに柔軟に対応しています。慌てて金利が高いカードローンなどで借りるのは避けて、住宅ローンの返済に困ったら、まず金融機関に相談してほしい」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年10月19日号より抜粋

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嵐・大野智「皆さんに恩返しがしたい」 5年ぶりの作品展「FREESTYLE 2020」に込めた思い

2020年10月19日 18:00 AERA

 嵐の大野智による作品展が開催中だ。5年ぶり3度目の今回は、創作活動の集大成となる。AERA 2020年10月19日号から。

【二宮和也「アドバイスを聞くとしたら、あの4人だけ」 メンバーを信頼する理由】

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 訪れたその日は晴天。エントランスを抜けると、ガラス窓の向こうには真っ青な空と東京の街が広がっていた。その大空間に設置されているのが、台座を入れて2メートル60センチにもなる巨大フィギュア「グリーンヘッド」。少しずつ回転しているそれは、まるで東京の中心を回っているかのようだ。

 皆さんに恩返しがしたい──。

 嵐・大野智さんのそんな思いからスタートした「FREESTYLE 2020 大野智 作品展」が、東京・六本木ヒルズ展望台 東京シティビューで開催されている。2008年の「FREESTYLE」、15年の「FREESTYLE II」(東京・大阪 ※同年には中国・上海で「FREESTYLE in Shanghai 2015 楽在其中」も実施)に続く、約5年ぶり3度目となる展覧会だ。

 大野さんの創作活動の集大成となる本展は、旧作から油彩やドローイングなど絵画約40点、フィギュアなどの立体作品約130点、写真約10点などを展示。新作は、「巨大細密画」や、嵐の58枚目のCDシングル「カイト」のジャケット写真のために描き下ろした作品など20点以上にのぼる。さらに、創作・展示のアーカイブまで幅広い作品を展示する。

 作品展を担当したMCOの前園美佐子さんによると、大野さんが新作に取り掛かり始めたのは昨年秋から。制作のために倉庫を借り、昼夜一人こもって作業に励んだ。特に、新型コロナウイルスの自粛期間中は制作に集中したという。

「一番思いがあるものを描きたい」として手がけたのが、今年春に1週間で描き上げたというジャニー喜多川さんの絵画だ。

 昨年7月に亡くなったジャニーさんを2273×1620ミリという巨大キャンバスに描いた大作で、これまでの作品になかった“いろいろな色を取り入れてポップに描き上げる”という新たな手法で臨んだ。大野さん自身、「ずっと見てても飽きない」という作品だが、実際間近で見ればその通り、メガネの奥を想像せずにはいられない。

 ジャニーさんの絵と同じ大きさの巨大キャンバスを使用した新作の「巨大細密画」も見応えがある。

「まず全体を埋めていって。そこから最後、極細ペンで隙間を埋めていったんだけど。それは楽しかった」(大野さん)

【キンプリ永瀬廉 「めっちゃ気持ちよかった」自粛生活中に見つけた新たなリラックス法を明かす】

 いくつもの漢字がありローマ字があり、手があり時計があり花があり、コブラがいて宇宙人がいて黒人がいて骸骨が並び……。大野作品の真骨頂といわれる細密画だが、彼の頭の中を想像しながらこの一枚を隅々まで見ているだけで、あっという間に時間が過ぎていく。

 開放的な空間で見る大野さんのアートの世界は、見る者の心も日常から解きほぐしてくれる。

(フリーランス記者・坂口さゆり)

※AERA 2020年10月19日号

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“人生最悪の30秒”を一本の映画に 息子の失踪で闇を彷徨う母の「その後」は

 AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。

【芸能界を夢見た女性が暗殺犯に… 金正男氏暗殺事件に迫る映画】

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 元夫と旅行中の6歳の息子が、海辺からかけてきた一本の電話。「パパが戻ってこない」。それが母・エレナが息子の声を聞いた最後だった──。ロドリゴ・ソロゴイェン監督(39)の「おもかげ」はそんな衝撃的なシーンから始まる。

「これは私の友人に実際に起こったことなんです。6歳の息子から電話がかかってきて『海岸にいるけれど、パパがどこにいるかわからない』と。幸い事なきを得ましたが、彼女は『人生で最悪の30秒間だった』と言いました。私は脚本家として、この話にドラマを感じたのです。もう少し時間を延長して、彼女を苦しませてみよう、と」

 2017年にまず15分の短編映画にした。1シーン1カットで、息子からの電話を受けたエレナの恐怖を緊張感たっぷりに描き、米アカデミー賞短編実写映画賞にノミネート。その短編を冒頭に使い、「その後」を描いたのが本作だ。

「短編を制作した仲間たちも私も、この物語を続けたいと思ったのです。不安に駆られながら息子を捜すために家を飛び出したエレナを、放っておくことはできなかった」

 10年後。エレナは行方不明の息子の残り香を追い、海辺のレストランで働いている。「息子をなくしてイカれた女」と口さがない人々は言う。そんなある日、彼女はどこかに息子のおもかげを宿した少年ジャンと出会う。事件の「その後」を、犯人捜しのサスペンスではなく、ヒロインの心の旅として描いた点が斬新だ。

「観客を驚かせたかったんです。通常は誰かがいなくなったら、その人を捜し、いなくなった理由を探す。私はひな型から逸脱したかった。そうではなく、息子を失った母親がどうやって暗いトンネルから出ていくのか、というところに光を当てたかった」

 ひな型に収まらないゆえ、作品の受け取り方も人それぞれだ。次第に親しくなっていく親子ほどの年の差のエレナとジャンを、周囲は微妙な目で見つめる。エレナがジャンに執着するのは息子のおもかげゆえなのか? 二人の間に確かにある愛はどんな種類のものか? ロドリゴ監督は答えを提示しない。さまざまな解釈ができるラストに、筆者は残酷さの余韻を感じたが、

「そう受け取っていただくのも、おもしろいですね。自分としては『赦(ゆる)し』を描いたと考えていますけど」

 影響を受けた監督は数多く、なかでもポール・トーマス・アンダーソンが好きだという。

「私は常に『この人物の最悪の状態はなにか?』を考えて物語をつくる傾向があります。普段の自分は残忍な人間ではないと思いますが、優れた映画やストーリーは、必ず登場人物が最悪の状態に立つことで生まれるのです」

 では監督にとって、もっとも最悪なことは何だろう?

「うーん、両親が亡くなることかな。まだ二人とも元気だけれど、いつかは必ず経験すること。でも心の準備ができていないし、考えたくない。子どもはいないので、その心配はしなくていいけどね」

◎「おもかげ」
10年前にいなくなった息子のおもかげを宿す少年と出会ったエレナだが──。10月23日から全国順次公開

■もう1本おすすめDVD 「ラブレス」

 我が子が突然、いなくなる。親にとってこれほど恐ろしい悪夢はないだろう。ロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督による「ラブレス」(2017年)も、そんな悲劇を発端にした物語だ。「おもかげ」とはまた違った視点による「ひな型からの逸脱」が、観る人の心に深い爪痕を残す。

 現代のロシア。一流企業で働く夫とサロン経営者の妻はいわゆるパワーカップル。しかし夫婦の間は冷え切り、二人は離婚に向けて話し合っていた。問題は12歳の息子アレクセイ。それぞれに新しい恋人がいる二人は、どちらも息子を引き取りたくないのだ。ある夜、夫婦は息子を押し付け合って口論をする。翌朝、息子の姿は消えていた──。

 なんと寒々と、いてついた物語だろう! 両親の口論を聞きながら、自室で耳をふさぐ少年の姿が痛々しい。夫婦はいなくなった息子を捜し回るが、もう遅い。息子の不在は身勝手な夫婦の心に永遠に消えない贖罪(しょくざい)の印を刻む。

 だが、この夫婦は特別だろうか? 周囲を見回せば、我が子を前にスマホにかかりっきりな親の姿がある。監督は自分ファーストで他者を愛せない「愛なき現代」を、痛切に切り取り、提示している。

◎「ラブレス」
発売元:ニューセレクト
販売元:アルバトロス
価格3800円+税/DVD発売中

(フリーランス記者・中村千晶)

※AERA 2020年10月19日号

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「毒母」の過干渉で何もできない人間に 歪められた人生への怒りで自分の腕を噛む30代男性

2020年10月19日 18:00 AERA/撮影・松永卓也

 80代の親がひきこもる50代の子どもを支える「8050問題」。その背景には、「毒親問題」が潜んでいることがある。AERA 2020年10月19日号では、いままであまり語られてこなかった母と息子の問題について、ノンフィクション作家・黒川祥子氏が迫った。

【コロナで深刻化する「8050問題」 生活困窮の相談40倍…親も失職「もう支えられません」】

*  *  *
 取材に現れた男性(38)は真夏にもかかわらず、長袖のカッターシャツ姿。対面するや、「母親が過保護・過干渉。物心がついた時から、母親がずっとそばにいて、先回りして何でもやっていた」と口火を切った。

 大企業に勤める父と専業主婦の母、3歳上の姉との4人家族。母親の過干渉は、息子のみに向けられた。自分の中でやりたい欲求が生まれても、「お母さんはあなたを愛しているから、やってあげたいの」と遮られる。されるがままでいると「いい子ね」と褒められた。その結果、何もできない人間になった。

「幼稚園の頃から人と話すとか、何かをするのがすごく怖くて基本、何もしない子でした。それでいじめを受けたことも……」

 父親は家庭に無関心。助けを求めても「黙って、母親の言うことを聞いていればいい」。

 母親は気分次第で、いきなり叱責してくることも多々あった。

「おまえはいつまでも、なんで、自分でできないの!」
「じゃ、自分でやるよ」
「お母さんはしてあげたいの! お母さんの愛情をわかってくれない、なんてダメな子なの!」

 矛盾したメッセージに子どもは振り回される。問答の挙句に行き着くのは、人格の全面否定。

「おまえはバカで、恥ずかしい子だから、親の言うことを聞いてればいいの。私が恥をかくから、何もやらせない」

 思春期、日記だろうがなんだろうが、母親が気に入らないものは勝手に捨てられた。洋服も、母親の好みが押し付けられ、着ないと言えば、「せっかく、買ってきたのに」と泣き落とし。

【学校、仕事、結婚相手も「毒親」が望む選択 「何一つ、自分で選んでいない」男性の末路】

■バカにすんじゃねえ

「全部、親がレールを敷いていた感じ。でも、どんなレールかは言わない。『黙って、親の言うことを聞いていればいいんだ』ってだけ。訳がわからない」

 男性は22歳の時、ひきこもりの支援施設へ入所した。

「生きる知恵がない。コミュニケーション能力もない。こんな人間がどう社会で生きていけるかと、自分で入所しました」

 面会のたびに母親は手作り弁当を持参し、洋服を買ってきた。拒否すれば、激昂した。

「おまえは、親の心がわからないダメ人間だ! 親の言うことを聞け! 黙って、言われた通りにすればいいんだ!」

 敷かれたレールが何かもわからぬまま、「親の言うことを聞かないから」と35歳で突然、実家への立ち入りを禁止された。

 以降、男性は運送業や警備員など「人と関わらずに済む」仕事をして一人で生きている。今、はっきりと思うことがある。

「ああ、オレは、親に潰(つぶ)されてきたんだ。すべてを否定されて」

 不意にフラッシュバックが起こり、怒りがこみ上げる。

「オレをバカにすんじゃねえ!」

 度し難い感情を抑えるため、腕を噛む。袖をまくり見せてくれた両腕には、5センチ四方ほどの真っ黒な傷痕。これこそ、母親に全否定され、歪められた人生への怒りそのものだった。

 この国の水面下に、「毒母」に苦しむ男性が相当いることは間違いない。(ノンフィクション作家・黒川祥子)

※AERA 2020年10月19日号より抜粋

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_nylrfm9ouiag_【沖昌之】塀を駆け上がろうとする猫 忍びのニャン術、ご披露します! nylrfm9ouiag nylrfm9ouiag 【沖昌之】塀を駆け上がろうとする猫 忍びのニャン術、ご披露します! oa-aera 0

【沖昌之】塀を駆け上がろうとする猫 忍びのニャン術、ご披露します!

2020年10月19日 18:00 AERA/撮影・沖昌之

 主に外猫を撮影し、猫の自然な姿をとらえた写真が人気の猫写真家・沖昌之さん。「今週の猫しゃあしゃあ」では、そんな沖さんが出会った猫たちを紹介します。今回は「オリンピックはクライミングで出場します」をお届けします。

【野球場でドヤ顔の黒猫! ここは俺様のテリトリーだニャ】

*  *  *
 これは香川県の佐柳島に行ったときに撮影した猫。朝、7時頃だったかな、猫を探しに歩いていたら、一匹の猫が現れて、道中、僕にずっとついてきてくれました。すると、塀の上の茂みからガサガサと音が。何だろうと思って見ると、2匹の猫が登場しました。その猫を見て、僕についてきていた猫が近寄ろうと、塀を駆け上ろうとしているところです。なんだかクリフハンガーみたいですよね。

【階段を転げ落ちる猫 ハチワレさんは七転び八起き!】

<沖昌之>
猫写真家。主に外猫を撮影し、猫の自然な姿をとらえた写真が人気。写真集に『ぶさにゃん』『必死すぎるネコ』など。最新刊の写真集『残念すぎるネコ』が発売中。インスタは@okirakuoki。新刊『俳句ねこ』(共著)が発売中

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_i7vmkd5e7m7b_石田ゆり子「チームの一部になれたら幸せ」 活躍し続ける秘訣とは i7vmkd5e7m7b i7vmkd5e7m7b 石田ゆり子「チームの一部になれたら幸せ」 活躍し続ける秘訣とは oa-aera 0

石田ゆり子「チームの一部になれたら幸せ」 活躍し続ける秘訣とは

2020年10月16日 19:00 AERA/photo・gettyimages

 幅広い層のファンから支持されている俳優・石田ゆり子さんがAERAに登場。出演した映画「望み」が公開中の石田さんが、現在の思いを語った。AERA 2020年10月19日号から。

【浜辺美波 好物は意外と渋い海産物 俳優として憧れるのは原節子!】

*  *  *
「貴代美さんの気持ちがものすごくよくわかるんです」

 石田ゆり子が柔らかい声でその名を口にするとき、深い愛情と尊敬の念、一体感にも似た、心と心のつながりを感じる。貴代美は、公開中の映画「望み」で演じた、2人の子どもを持つ母親だ。高校生の息子がある日突然姿を消す。そして殺人事件が起き、息子の関与が疑われる。息子は被害者なのか、それとも加害者なのか。観ていて胸が苦しくなるが、自身もまた誰よりも胸の痛みを感じながら、撮影に臨んでいた。

「とにかく生きていてほしいと思っていましたし、息子が死んでしまうなんて考えられなかった。貴代美さんの気持ちに、まったく異論がないんです」

 一日の撮影が終わっても、「買い物をして帰ろう」という気持ちにもなれないほど、つらい気持ちが体の中に充満した。けれど、完成した作品を観て、映画の力を強く感じた。

「人の気持ちのなかにぐっと入っていく作品だなと思いました。つらくても悲しくても、”
引力”がある映画というのはいいなと」

 石田ゆり子にしかできない。映画やドラマで、そう思わせる役を演じてきた。俳優として、いつも心に留めていることがある。「チームのなかで一つのパーツになれたらいいな」ということだ。

「自分のことばかりを考えないようにしています。自分が『どう映るか』を考え、自意識過剰になると、いいことがないなって思っていて。監督が言うことをきちんと聞いて、チームの一部になれたらそれが一番幸せですし、でき上がった作品を観ても納得がいくんです」

 紡ぎ出される言葉は、どれも胸に刻んでおきたいものばかりだ。感情が宿った美しい言葉に魅せられた。

(ライター・古谷ゆう子)

※AERA 2020年10月19日号

【キンプリ平野紫耀、「食っちゃ寝」】

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姜尚中「日本学術会議の任命拒否問題と会議の在り方をごちゃ混ぜにしてはならない」

2020年10月16日 19:00 AERA/photo・朝日新聞社

 政治学者の姜尚中さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、政治学的視点からアプローチします。

【コロナで深刻化する「8050問題」 生活困窮の相談40倍…親も失職「もう支えられません」】

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 日本学術会議が推薦した6人の会員候補が菅義偉首相から任命拒否されました。説明がなされないままのため、学術関係者のみならず、世論からも強い反発が起きています。拒否されたのは、宗教学、政治思想史、行政法学、憲法学、日本近代史、刑事法学と、いずれも人文・社会科学系の憲法や政治、歴史や価値に関わるような領域を研究している学者です。拒否した理由を明らかにしないのは、憲法23条の「学問の自由」に対する侵犯と言わざるを得ませんし、政府の干渉的な裁量権の行使は、戦前の日本の大きな転換点となった天皇機関説事件の文脈で受け取られても仕方がないかもしれません。政府は任命から外した根拠の説明を一刻もはやく行うべきです。

 次に問題となるのは、「学問の自由」とはどういうことであり、どんな環境が日本の学問研究や科学の発展に有益なのかという点です。日本学術会議は2017年に「軍事的安全保障研究に関する声明」を出しています。これは「戦争を目的とする科学研究は絶対に行わない」とした1950年と67年の声明を継承したものです。秘匿性や不透明性が伴う軍事転用可能な研究については、学問の公開性や平和的な利用可能性という見地からも距離を置き、たとえ軍事と民生との境が曖昧であっても、いや曖昧だからこそ、倫理的な節度と良心を重んじるべきだという基本的な理念です。こうしたノーブレスオブリージュ(高貴な使命に伴う義務)の上に学術会議は発足したはずで、国もこの間、それを尊重してきたのではないでしょうか。

 第3の問題は、そうした学者コミュニティーとしての学術会議が今後もノーブレスオブリージュを具体的に実践し、科学の平和的な発展と目的に貢献していくために、発足以来の組織と人事、予算や位置付けのままでいいのかという点です。もし現政権にそうした在り方に不満の声があり、前例踏襲主義を打破すべきというのなら、別途国会で検討委員会を設け、学術会議法の改正の可否について適正な手続きを通じて審議すべきです。ここに述べた次元の異なる三つの問題をごちゃ混ぜに論議するのは、議論の本位を欠いた曲論としか言いようがありません。

○姜尚中(カン・サンジュン)/1950年熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了後、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、現在東京大学名誉教授・熊本県立劇場館長兼理事長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍

※AERA 2020年10月19日号

【電車の混雑「許せるライン」がコロナで一変 「マナー違反」「対面」避けたい利用者たち】

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_gzljl9p95vki_金融機関ごとに大差。iDeCoの手数料、安いのはどこだ gzljl9p95vki gzljl9p95vki 金融機関ごとに大差。iDeCoの手数料、安いのはどこだ oa-aera 0

金融機関ごとに大差。iDeCoの手数料、安いのはどこだ

2020年10月16日 19:00 AERA

 自分で年金を積み立てるiDeCo(イデコ=個人型確定拠出年金)の加入者が増え続けている。2018年3月時点で85万3723人だったのが、2020年7月現在で165万8186人(国民年金基金連合会)になった。

【月イチ積立はもう古い!? 「毎日積立」の投資信託のオトク度検証 】

 iDeCoでは主に投資信託を積み立てるが、「ぜひうちでiDeCoを始めて欲しい」と思う金融機関のコスト競争が激化。ユーザーにとっては嬉しいことに、「ほぼ、タダ」の金融機関が増えてきた。

 アエラ増刊「AERA Money今さら聞けない投資信託の基本」では、iDeCoを取り扱う金融機関をシンプルに比較している。

 まず「iDeCo手数料が安いか、高いか」を見分けるためのポイントを教えよう。「初回2929円・つみたて中171円・(つみたてを)お休み中66円」の金融機関が、iDeCoに関しては最安だ。

 これら3つの金額は国民年金基金連合会や信託銀行などに支払う手数料なので、「取扱金融機関自体ではiDeCoに関する手数料を取っていない」ということになる。

 具体的に、どこが安いか? 品ぞろえやコストでハズレがないのは大手ネット証券(auカブコム証券、SBI証券、マネックス証券、松井証券、楽天証券/五十音順)。

 手数料も横並びで安く、投資信託自体のコストである信託報酬が激安な投信もひと通り取り扱っている。同じ投信でも、ネット証券で買えば、買うときにかかる販売手数料が無料ということもよくある。そして大手ネット証券なら、どの投信も100円から買えるのでハードルが低い。
 
 続いてがんばっているのはネット銀行。イオン銀行(一部店舗もあり)が条件なしにiDeCoの最低手数料を打ち出している。ネット銀行の中ではソニー銀行も、iDeCo残高や掛け金累計額50万円以上という条件付きながら、安い。

 窓口のある大手証券では大和証券が条件なしに安い。その後に野村、SMBC日興証券が続く(受付は三井住友銀行)。余談になるが、SMBC日興証券のオウンドメディア「日興フロッギー」は初心者がやさしく投資の知識を得られるサイトとして人気。まずはここで学んでからiDeCoにチャレンジするのもいい。

 メガバンクのiDeCo手数料は総じて高めだ。みずほ、三井住友、りそなは条件付きでネット証券並みになるような設定をしている。

 ただメガバンクは「いつも使っている銀行で、そのままiDeCoも」という利便性はある。預金と投資信託をシームレスに管理できる点は魅力だ。

 銀行の投資信託はコストが高いイメージもあるが、三井住友銀行は信託報酬が業界最安値水準の「SMBC・DCインデックスファンド」シリーズを出し、話題になっている。

(構成/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成

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「トランプ大統領には投票しない」ジョン・ボルトン氏激白 「一貫性なく感情的」と痛烈批判も

2020年10月16日 19:00 AERA

 ボルトン前国家安全保障担当大統領補佐官が回顧録を出版。米大統領選挙を前に「大統領がどんな人物なのかを正確に伝えたかった」とAERA 2020年10月19日号に話した。

【「くそったれショー」と酷評された米大統領候補の討論会 トランプ氏は人々に恐怖引き起こす発言も】

*  *  *
 ジョン・ボルトン氏(71)といえば、ワシントン屈指のタカ派として、主にリベラル派から強い反発を受けてきた人物だ。国家安全保障担当補佐官としてトランプ大統領に起用されたが、ホワイトハウス内の実態を見るにつけ、約1年半後に辞任を決断。その後に書いた「回顧録」が大統領選挙を前に出版され、米国では発売1週間で78万部を突破した。ボルトン氏は日本語版『ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日』が発売された10月7日、アエラのインタビューに応じ、回顧録よりもさらに強い表現でトランプ氏を批判した。11月3日の大統領選挙日には、トランプ氏に投票しないことも明らかにした。彼の「回顧録」は、トランプ氏によって隘路(あいろ)にはまった米保守本流の再生を願った著書ともいえる。

──なぜ、大統領選挙前に回顧録を出版したのですか。

 人びとが、選挙戦最中にどんな性格の人物が大統領になろうとしているのか知るのは、今より他にない。私の視点も入っているし、読者は私とは異なる結論を引き出すこともできるが、ホワイトハウスで安全保障問題について何が実際に起きたのか、人びとにできるだけ詳しく説明するのが重要だと思った。

──回顧録から、トランプ氏が実際にどのような人物だと分かりますか。

 彼は米国人が普通に思う保守でもリベラルでもなく、大統領職というものを真剣に捉えていないと思う。彼が下す決断には、これと分かるような一貫性はなく、安全保障問題についてもそうだ。彼は学ばないし、知らない物事を気にかけもしない。外交問題ですら、外国首脳を秤にかけ、勘と感情で交渉を行おうとする。これは非常に深刻な問題で、外交は強力な統率力、長期的な視点、持続性、実行力が必要だ。トランプ氏のように毎日新しいことをでっち上げるのでは立ちゆかない。

──あなたはホワイトハウスは「カオス(混乱)」だと表現しましたが、トランプ氏を止める方法はなかったのでしょうか。

 カオスは大統領自身に起因している。彼は、(大統領執務室がある)ホワイトハウス西棟よりも米政府がいかに巨大なものかを全く理解していない。ハリケーンなど自然災害が起きた際、私はよくトランプ氏をホワイトハウス西側にあるアイゼンハワー行政府ビルに連れていった。そこに国家安全保障会議(NSC)のほとんどのスタッフがいて24時間絶え間無く働いているのを見せるためだった。しかし、彼は西棟を離れるのも、地下にあるシチュエーションルームに来ることさえ好まなかった。スタッフがいなくても自分で何でも決断できると思っているようだが、それでは彼の力を逆に弱め、効果ある決断を下すことができない。多くの良識ある人びとが彼を説得しようとしたが、私も含めて皆、徒労に終わった。

【「トランプに出し抜かれるぞ」マイケル・ムーアが警鐘 トランプ氏の猛追でバイデン氏は逃げ切れるか?】

──トランプ氏は10月初旬、新型コロナウイルスへの感染が判明しました。感染を防ぐ手立てはなかったのでしょうか。

 1月から今日まで、大統領は新型コロナ対策で多くの間違いを犯したと思う。習近平・中国国家主席との関係を新型コロナに邪魔されたくなかった。好調な米経済に再選がかかっていると思い、影響があることには耳を貸さなかった。このため、NSCが「深刻な問題だ」と言っても反応が鈍かったし、今日でも一貫した対策がない。その悪影響は誰の目にも明らかだ。

 また、マスク着用が、米国では政治的な問題に発展してしまった。日本では、医師と公衆衛生の専門家がマスクを着用するべきだと言えば誰もがマスクをするが、米国では政治的な論争になり、そのトラブルの責任の一端がトランプ氏にある。彼のせいで政治的問題になったのに、彼はその責任を認識しているという態度も取らなかった。

──投開票日4週間前に大統領が、新型コロナに感染したことは、大統領選にどんな影響がありますか。

 現時点でまず、トランプ氏は第1回大統領候補討論会での言動でダメージを受けた。その上、新型コロナに感染したにもかかわらず、ボリス・ジョンソン英首相のように国民からの同情さえ得られなかった。共和党は、トランプ氏がホワイトハウスだけでなく、上院の過半数も失うのではないかとかなり懸念していると思う。

──あなたは長年の共和党員だが、現在の共和党をどう見ていますか。

 共和党がトランプ氏に対してきちんと防波堤の役割を果たしたとは思えない。大統領を怖がり、批判することを嫌がる。これは、民主主義社会にとって良くないことだ。政治的な忠誠心があるのは立派なことだが、それにも限界がある。トランプ氏が11月に敗北することがあれば、党内でどうやってトランプ氏が招いたダメージを取り除いて党を立て直し、2024年大統領選では同じ過ちを犯さないか議論するべきだろう。

──あなたは2016年にトランプ氏を支持したが、今年は支持しますか。

 トランプ氏には投票しないつもりだ。私が成人し投票できるようになってから、共和党の大統領候補に投票しないのは初めてだ。民主党候補のバイデン前副大統領にも投票はしない。私が住むメリーランド州のある共和党員の名前を書くつもりだ。

(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)

※AERA 2020年10月19日号より抜粋

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学校、仕事、結婚相手も「毒親」が望む選択 「何一つ、自分で選んでいない」男性の末路

2020年10月16日 19:00 AERA

 80代の親がひきこもる50代の子どもを支える「8050問題」。その背景には、「毒親」との関係が潜んでいることがある。 特にいままであまり語られてこなかった「母‐息子」問題。AERA 2020年10月19日号で、ノンフィクション作家・黒川祥子氏が「昭和的価値観」を押し付けた子育ての先にあるものに迫る。

【コロナで深刻化する「8050問題」 生活困窮の相談40倍…親も失職「もう支えられません」】

*  *  *
「『何だろう、この息苦しさは……』って、昔からずっと思っていました」

 都内の男性(49)は大企業の正社員として妻子を養い、自宅も建て、一見、綻びのない人生だ。

 父は工業高校卒の工場勤務、母はトップ高から大企業に就職という、母が父より強い立場の家庭で育った。

 夫婦仲が暗転したのは6歳の時、きっかけは父の借金問題だ。

「母親からは『お父さんはろくでもない人間だ。おまえはああいう男になってはいけない』と散々言われて育ちました」

 父親の被害者である“かわいそうな母親”を、自分が支える構図ができあがった。母親は、呪文のようにこう語った。

「子をみりゃ、親がわかるって言うからね。おまえがろくでもない子に育ったら、おまえを殺して、私も死ぬからね」

 子育ての理想は、母自身の中学教師だ。初回の授業で騒いだ生徒を鉄拳制裁、全員を震え上がらせ、従順な生徒に仕立てた“手腕”を、母は賞賛した。

「小さい頃は暴力で、彼女に逆らってはいけないと身体で覚えさせられた。母親の意図を汲み取って行動しないと手が出る。殴られるのは本当に嫌だった。両手両足を縛られ、押し入れに閉じ込められたこともあった」

 10歳になった頃、暴力はなくなったが、母親の“目”をうかがって行動するのが常だった。

「今にして思うのは、母親は私の中に見えない壁を構築して、外に出ない人間にするように育てたんです。正直、母親のキッとなる目がすごく怖かった。だから、そうならないようにと先回りして行動していました」

 高校や大学の選択も、母親がどう思うかを優先した。ITエンジニアという今の仕事も、好きで選んだわけではない。

「何一つ、自分で選んでいないんです。壁などないのに、母親がいいだろうと思う方向をどうしても選ばざるを得ない。結婚相手も、『母親はこういうタイプが好きだよな』と決めました」

■感情でつながれない


 表面上、母親は「自由にしていい」と言うが、実際は母親の意向を加味するよう、内面がコントロールされていた。まるで孫悟空の輪。幼い頃に植えつけられた恐怖による呪縛だった。さらに「父親のようになってはいけない」という使命もあった。

「父親の汚名返上という思いは常にあったけど、どうすればいいのか。仕事ができるようになれば、やっと私は解放されると思っていたけど、終わりが見えない。何を目指して生きているのか、わからなくなって……」

 40代半ばでうつ病を発症し休職、半年ほどで復職した直後、妻は離婚届を残して家を出た。

「妻は私と気持ちが通じ合えないと、心の病気になったことがありました。でもまさか、離婚になるとは。私は父と違って、仕事をして稼いでいるし、家も買ったし、借金もしていない。それでいいと思っていたんです」

 妻は長年、夫との関係で悩み、そして踏ん切りをつけたのだ。

「仕事のように理屈でできるのは得意なのですが、感情的なところで、人とつながるというのがわからない。2人の息子とも同じです。感情でつながれない」

 男性は、母親が幼い孫たちに豪語した言葉を思い出す。

「あの子は、私の思い通りに育ったのよ!」

 母親の意図通りに作られた息子は、他者と感情的なつながりが持てない不自由さに喘いでいる。長年の息苦しさの根幹には、母親という存在があった。(ノンフィクション作家・黒川祥子)

※AERA 2020年10月19日号より抜粋

【非正規雇用者がコロナ禍で「116万人減」…失業者は一体どこに消えた?】

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