AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
【しいたけ.さん「夫婦・家族が持つ『守る・守られる』の機能は大切だからこそ、決断は慎重に」】
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Q:異常に源氏パイが好きです。1日に、お徳用源氏パイを半袋(14枚)食べていることも。噛んだときのサクホロ感が好物で、お徳用を見つけたら買いだめ。お菓子箱が鎌倉幕府ぐらい源氏だらけ。小腹がすいたとき、昼寝起きなど、頭に浮かぶのは源氏パイで、完全に紫式部。普通に太るので困ります。(女性/主婦/35歳/やぎ座)
A:ご回答します。
生きているといいことも悪いこともありますが、まあまあ自分の幸せを保ちながら生きている、生きることがうまい人っている気がします。
そういう人たちに共通しているのが、変な言い方ですけど「小さな自傷行為」を持っていることです。
自傷行為と言ってもリストカットのように行きすぎてしまうと医療機関に行ったほうがいいんですが、そうじゃない、ちょっと体に悪いこと。例えば僕だったら、夜中にやるゲームとか。すごく気持ちいいんですよね。
気持ちいいことってだいたい体に悪いことなんです。夜中にやるゲームは目にも悪いし、次の日の仕事のためにも早く寝たほうがいいんですけど、「早く寝なきゃ。なんでこんなことしてるんだろう」と思いながらゲームをしていると、何かがすうっと浄化されていくのがわかる。
辛いものを食べるのもそうだし、登山やマラソンも本当はあまり体によくない行為だと思うんです。源氏パイの食べすぎも、僕にはその小さな自傷行為の一つに思えました。
やぎ座は特に自傷行為が多いような気がします。外で仮面を被って生きているから、家に帰ってきた瞬間にその仮面を脱ぎ捨てたいという願望を持っているんですね。外に合わせていたスイッチを家ではオフにしたい。
やぎ座のお隣の星座のみずがめ座も同じような一面があります。やぎ座は、3日に1回自分のレベルを落として寝転がりながらお菓子を食べたりしますが、みずがめ座は1カ月単位でそういう時期が来たりします。その分少し闇も深い。闇期の自分を持つことでバランスを保っているところがあるのだと思います。
だから、どうぞ鎌倉幕府として源氏に囲まれて生き続けてください。
やめたくてもやめられない体に悪いことを持っている人に何かアドバイスするとすれば、目的を逆にしてみてはどうですか?ということ。
例えば、末永く堕落するために運動をするとか。そっちを目的にしてしまえばいいんです。ピザポテトとかジャンクフードを気が向いたときにおなかいっぱい食べられるように、日頃から運動しておく。堕落のためにジムに通って体を鍛えてみると、意外と長続きしたりします。堕落すること自体は自分から取り上げなくていいと思います。
自分で自分の闇を解決するための自傷行為を知っている人は、幸せにバランスを保って生きていけます。ケーキを2個食べちゃうのも大丈夫。
○しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2020年9月7日号
【暗示にかかりやすいみずがめ座が「魔術的な世界」から解放されるには…しいたけ.さんがアドバイス】
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