AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
【教育のプロが語る“コロナ離婚”の意外な原因】
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Q:フリーランスで仕事をしています。旦那とは23歳で結婚し、かれこれ20年くらい一緒にいます。子どもも大きくなり、お互い空気のような存在。やんわりと「締め」の空気が流れ、息子が高校にあがる3年後に卒婚しようと話し合いました。息子も了承済みです。が、コロナもあり安定のためにもこのまま続けるべきか迷います。(女性/美容関係/40歳/いて座)
A:いて座は夫婦関係も、欧米型のパートナーシップ感覚に近い人が多かったりします。だからなのか、いて座から卒婚の話を聞くことは多いです。
そもそも「結婚」や「家族」には二つの大きな側面があります。一つは愛情。お互い引かれ合って好きになり、愛情で結ばれる。もう一つが「機能」です。大人になるとやらなければいけないことが多くありますが、一人の人間には得意なことと不得意なことがある。それを一つの組織としてカバーし合って難局を乗り越えていきましょう、つらいことがあったら慰め合いましょう、というのが家族の「機能」の一つでもあります。
10年や20年の長い間を家族として過ごした人同士は、信頼関係があり、友達に戻っても家族としての機能は残せるケースがあると思います。家族のうちは、法的な契約も含めてできないことがありますが、合意の上なら友達に戻ってもより家族の機能を強化できるかもしれない。世の中には離婚後のほうが仲がいいご夫婦も多くいらっしゃいます。
いて座は、恋愛関係をキープしたいという気持ちが結構強いように思います。生活を共にしてその人の現実面が全部見えてしまうと、テンションが下がってしまう人たちでもあるのです。
卒婚は、今後増えていくだろうなと思います。今の時代に生まれてきてしまった僕らは、80代まで成長し続けなきゃいけないから。昔は40代である意味一線から退けたけど、今は80代まで毎年アップデートしないといけない。刺激がないとアップデートできない人たちもいると思うんです。いくつになってもガールフレンドやボーイフレンドがほしい、気持ちとして若くありたい。合意の上ならそういう生き方もありだと思います。
ただし、なんですが。やっぱりコロナのこともあり、今は慎重に進めたほうがいい、というのが個人的な意見です。1カ月後がどうなるかわからない時代に我々は急激に突入してしまいました。収まってはいくだろうけど、やっぱり防衛機能は強くあった方がいい。自分の仕事は順調でも、パートナーや子どもが、いつ気持ちや心が折れてしまうとも限りません。そういう時に「守る・守られる」という二つの機能は、維持しておいてもいい気がするんですよね。
友達関係とか夫婦関係を解消する、切るというのはいつでもできます。落ち着いたら切っていってもいいけど、こういう状況が続く限りは支え合う人も必要です。来年以降まで様子を見られてもいいのではないでしょうか。
○しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2020年8月3日号
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