AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:黒色の服が苦手です。かっこよく、他の色にも比較的合わせやすいのですが、着ているとどうしても後ろ向きな気持ちになってしまい、着ることを避けてしまいます。靴やかばんなどの小物は気にならないのですが、服の場合は鏡で自分の姿を確認する時に目に入りやすいので、つい気にしてしまいます。(女性/会社員/23歳/みずがめ座)
A:これはとてもみずがめ座らしいお悩みだなと思いながら読ませていただきました。
みずがめ座って、誰に教わったわけでもないんだけど、小さな魔術に囲まれて生きているようなんですね。例えば道端でアリやお花を踏んじゃうことってあるじゃないですか。誰でもバツが悪く感じますよね。みずがめ座はそれが特に強い人たち。踏んづけた時に、自分の中でバランスを取るために何か自分に悪いことが起こらなければいけない、と思うところがあります。フェアじゃないと気が済まない人たちなんです。逆にいいことが起きた後も、あまり喜ばないで、それに伴う努力をしないとこのいいことが悪いこととして自分に返ってくるんじゃないかと恐れます。そういう「まじないの世界」というか小さな魔術的な世界に生きていて、アニミズム、精霊主義的な部分が強い人がみずがめ座には結構います。
もう一つ、みずがめ座はすごく理性的な人が多いんだけど、その半面、暗示にかかりやすい人たちでもあります。特に若い時に多いのですが、自分が影響を受けた人の発言や考え方が、自分に乗り移っていることが多い。これは推測ですが、あなたの場合も誰か身近にいる好きな人や影響を与えてくれた人が、黒い服が苦手な可能性もあると思います。大好きなお母さんに「黒ばっかり着てると夜危ないよ」と言われて、その発言がずっと記憶に残っているとか。
黒は、長い時間をかけて全部吸収するような色でもあります。苦手なことも含めて自分を大きくしていくという色なんですね。そういう視点で、黒の良さもわかってもらえるといいのかなと思います。
みずがめ座が、魔術的なものから解放されるためには、外国文化に触れることがおすすめです。民族や文化によって、こだわるところとこだわらないところって全然違いますよね。異文化に触れると、自分がこだわってきた文化や習慣を客観的に見られます。今はなかなか旅行も難しいので、各国料理のお店に行くなどでも十分だと思います。例えば国によってはご飯を箸じゃなくて手で食べる場所もある。箸で食べるべきというのが単なる自分たちの習慣に過ぎなかったんだとわかると、安心できるんです。
ちなみに、黒ばかり着る人は、防御反応が強い人が多いですね。私を見ないで、という防衛反応というか。気遣いがあって、過敏なぐらいに敏感な人は、色を身につけるとその色が気になってしまうので、瞳を閉じるような意味で黒を選ぶことがあります。
しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
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