胸のすくような快勝に埼玉スタジアムが大いに沸いた。
三菱重工浦和レッズレディースは13日、ホームでマイナビ仙台レディースから3ゴールを奪い、連敗を「3」でストップした。
負の連鎖を断ち切ったのは、攻防一体のアグレッシブな姿勢だ。序盤から敵陣に押し込んでいく迫力は、目を見張った。
開始3分に先制ゴールを挙げた清家貴子の豪胆なオーバーラップには、チームの狙いが凝縮されていた。
速攻からチャンスが生まれると、背番号11は右サイドバックのポジションから迷いなく最前線へ走り込んだ。
ペナルティーエリア内でボールを受けた塩越柚歩をすぐさまフォローし、ヒールパスを受けて、あっというにゴールを割ってしまった。まさに電光石火の攻撃である。
「立ち上がりからガンガンいこうと話していました。普段はあれほど高い位置を取ることはないのですが、塩越選手からいい落としがきたので、落ち着いて決めました」
1点を奪ったあとも攻めの手を緩めることはなかった。
相手を飲み込むようなプレスで圧倒。17分にCKからオウンゴールを誘って追加点を挙げ、41分には安藤が勝負を決定づけるような3点目までマークした。
ゴール前でこぼれ球を拾い、ペナルティーエリア外からサイドネットに叩き込んだシュートには、39歳の経験がぎっしり詰まっていた。
チーム事情で本職の前線ではなく、ボランチで起用されたことに本人も驚きを隠さなかったが、仕事をきっちりこなすのがベテランの為せる業。ミドルシュートも狙いどおりだった。
「自分のなかで、整理して試合に臨みました。ボランチの映像を見たりもしました」
安藤が貢献したのは、攻撃面だけではない。
後半は耐える時間が長くなり、自陣でブロックを組むと、守備に奔走。最後まで球際で戦い、泥臭くボールを追い続けた。
連敗中は「厳しさが足りない部分もあった」という。3試合連続で複数失点を喫し、改善を迫られていた守備の手応えは十分。「慌てずに守れた」と安藤。ミスから1失点こそしたものの、次につながる勝利になったと言っていい。
11月20日の次節は、負けられない埼玉ダービー。敵地の熊谷文化スポーツ公園陸上競技場でちふれASエルフェン埼玉を下し、一気に流れに乗っていきたい。
(取材/文・杉園昌之)
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