「仕掛けられる状況になると、歓声が聞こえてくるのが分かります。僕のテンションも一気に高まるのですが、勢いだけでは行かないように抑えているんです。抜いて終わりではないですし、ゴールにつなげないと意味がないので」
「疲れていたのですが、パスには『前に行けるぞ』というメッセージが込められていました」
「サイドのドリブラーとすれば、理想的なアシストでした」
「あの瞬間、スタジアムが沸いたのは分かりました。股抜きは高校(東京ヴェルディユース)、大学(中央大学)の頃から得意だったんで。
“股抜き”に目覚めたのは、東京Vの育成組織でプレーしていた中学時代。FIFAクラブワールドカップでサントス(2011年)、コリンチャンス(2012年)と2年連続でブラジルのクラブが来日していたときだった。
「選手の名前までは覚えていないのですが、ブラジルの選手で股を取るのがすごくうまいドリブラーがいて、参考にしました」
「股を取ったときは、最高の気分。もちろん、試合に勝つことが一番ですけどね」
「これで点を取れるようになれば、もうひとつ上に行ける」
(取材・文/杉園昌之)