「ドリブルは自分の代名詞。自分のドリブルによってゴールの確率、勝利の確率を上げられるものにしていきたいと思っています」
「ドリブルは戦術うんぬんを度外視できるというか。相手がいくら組織的に戦ってきても、マンツーマンでマークをつけてきても、対策を練ることができないのがドリブルだと思っています。自分はそこでより勝負したい。自分のドリブルで相手を崩していきたい」
「自分のプレーが消極的に映ってしまったところはあったと思います。僕の中で軸はブレていませんでしたけど、ACLの出来を考えれば、帰国したあとの柏レイソル戦(明治安田生命J1リーグ第12節)、サンフレッチェ広島戦(第13節)はメンバー外になることは自分でも分かっていました」
「お前の良さってサッカーを楽しんでいるところじゃない?」
「考えることはもちろん大事だけど、考えすぎてしまっているんじゃない?」
「チームとしてやるべきことに比重を置きすぎてしまっていたというか。真面目に、忠実にやろうとしすぎてしまっていたんです。それも自分のよさだとは思うのですが、どちらかというとそればっかりになってしまって、自分がしたいプレー、やるべきプレーに、自分のなかで制限をかけてしまっていたように思います」
「横浜F・マリノス戦でアシストできたことがひとつ自信につながりました。現時点で首位に立っているチームを相手に、自分がやれたということは、他のチームを相手にしても自分は仕掛けられると思うことができました。
「自分にしかできないシャドーでのプレーとはなんだろうか?」
「チームの戦いを振り返ってみると、サイドで仕掛ける選手はいるけど、中央で仕掛ける、中央から崩しに行く選手は少ないな」
「チームとしてやるべきことをやらなくなったわけではなく、前までならばそれだけで終わってしまっていたところに、プラスアルファして自分の良さを出していこうと考えられるようになりました。型にはまるのではなく、自分にはドリブルがあるので、選択肢としてパスもあるなかで、自分で仕掛けるなど、ひとつ引き出しが増えたように思っています」
「昨年とかは、パスミスをしたりすると、ボールロストしないことばかりを気にしていたところがあったんですけど、今はそれも切り替えられるようになってきました。全部が全部、相手を抜けるわけではないですが、勝負しなければ分からない。だから、パスを選択するのは簡単だけど、自分はやっぱり仕掛け続けるというか、チャレンジし続ける姿勢が大事なのかなと思っています」
「ゴールに直結する得点、アシストです。ずっとうまい選手ではなく、怖い選手になりたいと思ってやってきました。試合のハイライトで抜き出される映像の多くは、得点シーンになりますよね。自分が試合中、いくら仕掛けても、ゴールやアシストで貢献しなければ映らない。だからこそ、数字を残すということは一番の課題です」
「70分を過ぎてきたときに、疲労から足がつってしまったり、体力的にきつくなってしまったりするところがある。チームで戦っているので、最初から90分間プレーしようというペース配分はしていないですけど、70分を過ぎてからも、もうひとつギアを上げられる選手になりたい。その時間帯に、開始1分と同じドリブルができれば、よりチャンスができますからね。ガンバ大阪戦(第19節)では判断ミスで失点に絡んでしまったように、質も維持させていかなければと思っています」
「今、無心でプレーすることを心掛けています。ドリブルについては無心でプレーできているのに、どうしてもシュートは少し慌ててしまうというか、力んでしまうところがある。チャンスに対してチャンスと思わないような意識を持たなければと考えています」
「ここでしっかり自分のゴールやアシストで、チームに勝利をもたらすことができるような選手になりたい」
「埼玉スタジアムの階段を駆け上がって、ピッチに出た瞬間の感動を今も鮮明に覚えているんです。『正直、ウォーミングアップする必要ないじゃん』って。それくらい気持ちが高揚して、すぐにでも試合ができそうだなって思ったことを覚えています」
(取材・文/原田大輔)