柔らかくて、どこか懐かしく、長野県民に愛されてきた「牛乳パン」。駒ケ根市は2018年に「牛乳パン生みのまち」を宣言した。
そもそも牛乳パンって何? 同市商工観光課によると、定義ははっきりせず、「白いふわふわのパンにクリームを挟んである」程度の共通点だという。形や大きさもさまざまだ。
実は牛乳の使用も絶対ではない。牛乳パンと名付けられた当初のパンは牛乳を使っておらず、栄養価が高いイメージにあやかって「牛乳パン」と名付けたという説がある。
牛乳パンの発祥には諸説あるが、同市が宣言を出したのは、「生みの親」とされる中坪兼吉さん(89)が同市に住んでいるため。中坪さんが伊那市でパン職人として働いていた1955(昭和30)年ごろ、早朝にパンを買いに来た女性にケーキ用のバタークリームを塗って渡したことが始まりとされる。パン店主向けの講習会を経て、県内に広がったという。
駒ケ根市では、パン店などで実行委員会をつくり、2019年から「牛乳パンまつり」を開催。今年2月の祭りでは、午前の部に用意した300個のパンが1時間弱で完売するなど、県民から愛されるパンであり続けている。
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