上田市立産婦人科病院は26日、今月末の廃止を前に閉院式を開いた。スタッフや市議会、地元自治会などの関係者約60人が出席。「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」を理念に、12年間で4148人の赤ちゃんを取り上げた歴史を振り返った。
徳平厚院長は「医師、看護スタッフとも、母親や赤ちゃん、家族に寄り添う応援者として取り組んで来た」と職員に感謝した。スライドで歩みを紹介した塚田典子(よりこ)看護課長兼総師長は取材に「赤ちゃん、お母さんたちに尽くすことができたのが一番の思い出」と惜しんだ。
同病院は旧市産院の機能を引き継ぎ2012年に開院。陣痛から出産後の回復まで同じ部屋で過ごせる分娩(ぶんべん)室「LDR」を備え、横向きなどさまざまな体勢での出産に対応した。医師確保難や出産数減による経営悪化を受け、市は22年に機能を隣接の国立病院機構信州上田医療センターに集約すると決定。今月22日に診療を終えた。
昨年5月時点で28人いた職員は現在15人。約3分の1は市の他部署へ異動し、残り約3分の2は転職する。
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