菓子庵石川(伊那市)と飲食店運営のサン・コーポレーション(飯田市)が、天龍村産のユズを使った焼き菓子「ゆずぷっちい」を開発した。菓子の新たな味の素材を探していた菓子庵石川と、ユズの皮の販路を探していたサン・コーポレーションが連携。両社とも他地域の企業とのコラボは初めてで、上下伊那地域でタッグを組み伊那谷の魅力を伝えたい―と考えている。18日から伊那市と飯田市の両社店舗で販売する。
菓子庵石川の「ちいずぷっちい」シリーズで、今回で10種類目。サン・コーポレーションのグループ会社は、天龍村産ユズを仕入れてドレッシングを開発・販売しており、製造過程で余る皮の活用が課題となっていた。
菓子にはユズの皮を砂糖で煮詰めたコンフィチュール(フランス語でジャム)を使用。チーズクリームとユズを2対1の割合で配合し、ユズ皮の食感や香りを生かした。甘みとほのかな苦みもある。ユズの栽培自体には農薬を使っておらず、皮も安全に食べられるという。
17日に伊那市の菓子庵石川アルプスファクトリーで発表した石川信頼(のぶより)社長は「伊那谷の人に古里の良さを感じてもらい、地域外の人にも南信州や伊那谷をPRできれば」と期待。サン・コーポレーションの古田嘉仁社長はリニア中央新幹線開業を見据え「上下伊那で連携し、飯田で降りて上伊那まで行ってもらう足掛かりになればいい」とする。
1個税込み206円。販売期間は18日から6月中旬までで、今後は冬季の限定商品にする予定。伊那市内の菓子庵石川直営店やオンラインストア、飯田市内の飲食店「3びきのこぶた」で売る。
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