認知症への理解を深める「認知症フォーラム」(実行委員会主催、信濃毎日新聞社共催)が29日、松本市中央2の信毎メディアガーデンであった。アルツハイマー病の新治療薬「レカネマブ」が昨年12月に保険適用され、一部医療機関で投与が始まったことを受けて企画。認知症の専門医ら4人がアルツハイマー病の仕組みや症状を解説し、約200人が聞いた。
いけだ内科・脳神経内科クリニック(安曇野市)の池田修一院長は、脳に蓄積して神経細胞を減らすアミロイドベータと呼ばれるタンパク質がアルツハイマー病の原因物質とされていると説明。矢彦沢内科・脳神経クリニック(長野市)の矢彦沢裕之院長は症状について、物忘れの増加から始まり、道に迷ったり食事や排せつ、入浴が失敗したりと進行していくと紹介した。
相沢病院(松本市)脳卒中・脳神経センター脳神経内科の橋本隆男特任統括医長は、レカネマブによる治療は軽度認知症とその前段階である軽度認知障害(MCI)の人に対象が限られるとし、「家族や自分自身が認知症ではないかと疑ったら、かかりつけ医に相談してほしい」と早期の対応を呼びかけた。
栗田病院(長野市)の村田志保副病院長を交えた4人のパネル討論もあり、高齢の家族に受診を促す知恵など来場者からの質問に答えた。
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