長野市東町の「門前商家ちょっ蔵おいらい館」の市民ギャラリーで、須坂市旭ケ丘の墨彩画家、宮本広文さん(82)が「河童曼陀羅(かっぱまんだら)展」と題した個展を開いている。大小約70点もの作品の題材は全てかっぱ。1枚に何十匹ものかっぱが描かれた作品などが目を引いている。
「百笑曼陀羅」と題した作品は縦約1メートル、横約80センチの大きな紙に、老若男女さまざまなかっぱが踊ったりひっくり返ったり、談笑したりしている様子が表情豊かに描かれている。全国各地のかっぱ伝説にちなむ作品もある。
宮本さんは幼少期から絵画に親しみ、広告美術業を経て36歳からフリーで創作活動を続けている。信濃毎日新聞の「やまびこ」の漫画担当は今年10年目を迎えた。
かっぱは宮本さんがライフワークとして取り組んで来た題材。大正生まれの画家斎藤博之の画集「河童曼陀羅」に魅入られて以降、各地の伝説を調べたり、全国のかっぱファンと交流したり。これまでに大小合わせて千点を超えるかっぱ作品を描いてきた。
今回の展示は集大成で、宮本さんは「創作中はいつもわくわくする。大きな紙にさまざまな個性のかっぱを描き、構図を組み立てていくのが楽しい」。多くの人に人間味が感じられるかっぱを見てほしいと願っている。
19日まで(13日は休館)。午前9時~午後5時。入場無料。
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