安曇野市明科七貴の県水産試験場押野試験池で17日、県開発のブランド魚「信州サーモン」の稚魚の出荷が始まった。2004年に水産庁に養殖魚として承認されてから今年で20周年。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ需要は回復し、県内外で引き合いが強まっている。試験場は7月までに、県内の約30事業者に約42万匹を出荷する予定だ。
ふ化から5カ月ほどの稚魚は大きさ6~7センチ、重さ2~5グラム。試験場の職員らが池から養殖業者の水槽に移すと、大量の稚魚が生き生きと泳ぎ回った。養殖業者は2、3年かけて50~60センチ、約2キロに育て、県内外の飲食店や宿泊施設に出荷する。
この日、信州サーモン振興協議会長の矢花功さん(74)が社長を務める養殖業、カワグチ(安曇野市)は昨年と同じ約2万匹を仕入れた。矢花さんは、昨年4月に軽井沢町で開かれた先進7カ国(G7)外相会合の夕食会で提供されるなど信州サーモンの知名度が高まっているとし「質の向上と供給安定のための努力を重ね、消費者においしいと感じてほしい」と話した。
信州サーモンは県水産試験場が約10年かけて開発。うまみが凝縮された肉厚な身と、とろける舌触りが特徴で県内外で需要が高まっている。
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