戦後日本の女性たちにウエディングドレスで「夢」を届け、「ブライダルの伝道師」と呼ばれた桂由美さんが4月26日に亡くなった。
桂さんは、岡谷市岡谷蚕糸博物館が同市郷田の現在地に移転した2014年と、移転開館5周年の19年に同市を訪れ、シルク文化に関するトークショーやパネル討論に出席。桂さんのドレスを展示する特別展などもあった。
蚕糸研究を通じて桂さんと知り合った同館の高林千幸館長(73)は「製糸業で発展したシルクのまち岡谷だからこそ、『やりましょう』と二つ返事で受けていただいた。仕事に向き合う姿勢は厳しく、人には優しい気さくな方だった」と振り返る。
同館は今年、開館60周年と移転開館10周年の節目に当たり、秋には桂さんを招いた記念イベントも予定していた。高林館長は「まだまだ世界でご活躍してほしかった。岡谷を見守り、リスペクトしてくれた方が亡くなり寂しい気持ちでいっぱい」と悼んだ。
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