上田市の長野大は30日、2026年度新設予定の「環境情報科学部」(仮称)などを置く新棟建設のため1号館の大半が解体されるのを前に、イベント「さよなら1号館 みんなで振り返る思い出の場所」を開いた。県内外から卒業生や元教員ら34人が訪れ、青春の思い出が詰まった建物との別れを惜しんだ。
同大は1966(昭和41)年に本州大として開学し、翌67年に1号館が完成。現在食堂がある西側の一部は残すが、350人収容の二つの階段教室など大部分を今月上旬から解体する。この日は午前10時の開始とともに中高年や初老のOBらが訪れ、懐かしそうに写真を撮った。
階段教室の中ほどに腰かけて「この辺で講義を聴いていました」と話したのは、愛知県豊田市から訪れたメーカー技術者の岩崎主税さん(52)。94年に産業社会学部(当時)を卒業。所属したゼミで資源ごみの回収を実践したと言い、「勉学にサークル活動に情熱を注いだ記憶がよみがえる。大学の先生や友人との絆は今も続き、一生の宝を得られた」。
68年に入学した3期生で元会社経営の塩川美治さん(75)=小諸市塩野=は、1号館隅にある10畳ほどの部屋をのぞきながら「僕が活動した演劇部の部室でした」と教えてくれた。雑魚寝で合宿、公演は遠く京都まで出かけた。「建物がなくなるのはさみしいが、大学が進歩していくのは楽しみ」と期待していた。
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