現地時間で18日、ニューヨーク州のヤンキー・スタジアムにてニューヨーク大学(以下 NYU)の卒業式が行われ、人気シンガーソングライターのテイラー・スウィフトがスピーチを行った。
実はテイラー、今回NYUから名誉学位を授与されている。卒業式では、今年度卒業する学生たちに向け、力強いスピーチを行った。
「少なくとも書類上では私を博士にしてくださったNYUに、感謝いたします。緊急事態が発生したときに、あまり近くにいて欲しいタイプの博士ではありませんよね。“キャッチーなフックと強烈なカタルシスをもたらすブリッジパートを持つ曲が、どうしても聞きたい”という緊急事態が発生しない限りは」
「私が今日ここに呼ばれたのは、私が過去に「22」というタイトルの曲を書いたことが理由だと、90%確信しています」「ニューヨークへようこそ。この街は、ずっとあなた方を待っていました」
また、テイラーは大学に通ったことがないものの、新型コロナウィルスのパンデミックの中卒業生たちが異例の大学生活を送っていたことに共感を示した。
「皆さんは、普通の大学生活を送りたいと思っていたことでしょう。しかし今回の経験を通して、皆さんも私も、人生という名の宅配サービスでは、メニューから選んだものが全て手に入るとは限らないということを学びました」
さらに、10代の頃からポップスターとして世間の目に晒されてきたテイラーは、自分の人生を振り返り、そこから得た教訓についてこう語った。
「普段は、頼まれない限りは勝手なアドバイスはしないのですが、今回は、人生、愛、プレッシャー、選択、恥、希望、友情の中を旅してきた経験に基づき、皆さんに人生のコツをお教えします」
「一度にすべてを背負おうとした時は特に、人生というものは非常に重くなります。成長し、人生の新たな章に進むためには、“キャッチ・アンド・リリース”が大切です。つまり、残すべきものと手放すものを見極めるということです」
「全てを運び続けることは出来ない––全ての恨み、全ての元恋人たち、おじが設立したヘッジファンドのお陰で学校のいじめっ子が得たうらやましい昇進の全てをね。自分のものとして残すものを決め、残りは手放すことです」
またほかのコツとして、テイラーは、「避けることは出来ないのだから、クヨクヨしながら生きていくのも問題ない」と続ける。そして、「何かに熱中していることを隠してはいけない」と、声高らかに提唱した。
「私が思うに、私たちの“無関心なアンビバレンス”の文化には、熱意を持つことは良いことではないという、誤った認識があるように見えます。そうした見解は、“これが欲しい”と望むことはクールではないという考えを永続させています。“努力はしない方がカッコイイ”という考えです」
「でも、今日ここにいる私が言います。皆さんにはしっかり私の言うことを聞いて欲しい。努力することを決して恥じてはいけません。努力は、通説なのです」
その後も、厳しい人生を生き抜いていくために、卒業生にアドバイスを行ったテイラー。最後は、自身の楽曲「22」の歌詞をもじり、「Let’s just keep dancing like we’re the Class of ‘22'.(2022年の卒業生らしく、これからも踊り続けよう)」と呼び掛けスピーチを締めくくっていた。
MTV NEWS