(C)JMPA
「8月30日、宮内庁が2024年度予算の概算要求を公表しました。例年は新聞社がごく短い記事を報じるぐらいなのですが、今年は多くのメディアがこぞって報じています。それだけ皇室、特に秋篠宮家の経済的なニュースに国民の関心が高まっているということで、きわめて異例な状況といえます」
そう語るのは宮内庁関係者。
“予算の概算要求”とは、翌年度の予算編成に向けて、各省庁が取り組みたい事業と必要な費用の見積もりを盛り込んだ要求書を財務省に提出すること。宮内庁は8月30日に、宮内記者会に対して説明を行ったが、事前から緊張をはらんでいた。
特に記者たちが注目していたのは、佳子さまが一人暮らしをされている旧御仮寓所(宮内庁分室)の改修工事についてだった。
「9億8千万円を費やして’19年に完成したばかりの旧御仮寓所ですが、今秋から改修工事が行われます。今年7月から9月にかけて契約される予定となっており、複数の社が概算要求公表前日の29日までに“改修費について説明してほしい”と要望していました」(皇室担当記者)
秋篠宮邸改修工事の費用については、昨年9月の工事終了時に、建物部分の工事費に約26億円、庭園工事なども含めると、約30億2千万円、さらに赤坂東邸の改修工事も含めると、約34億7千万円と発表されている。
「それだけの費用をかけているにもかかわらず、佳子さまは引っ越しをされず、旧御仮寓所で一人暮らしをされています。
さらに『赤坂御用地東地区周辺整備工事』が実施中であることも8月に報じられました。 約5億円を費やして、秋篠宮家のために働く皇嗣職が使用する、事務棟・倉庫棟・車庫棟・ゴミ集積所を建設しているのです。
宮内庁内部でも『秋篠宮家のために、どれだけの予算を費やすのか?』と、その金銭感覚を問題視する声が上がっています。もちろん国民の不満も高まっており、宮内記者会の各社が概算要求の具体的な内容に注視し、取材を進めていたのも、そういった背景があるためです。秋篠宮さまや紀子さまも、これまでにない記者たちの追及姿勢や、皇嗣家の権威の低下ぶりに慄然とされたことでしょう」(前出・宮内庁関係者)
だが、説明は記者たちが納得できるものではなかったという。
「30日当日は、皇室や宮内庁の会計などを担当している皇室経済主管、そして宮内庁秘書課の職員らが記者たちへ説明を行いました。そこで明かされたのは、“旧御仮寓所の改修費は2024年度概算要求では計上しない”ということでした。では今秋から実施される工事の費用はどこから捻出されるのかという疑問が生じます。さらなる説明を求めて食い下がった記者もいましたが、結局は不透明なままでした」(前出・皇室担当記者)
■愛子さまのティアラと悠仁さまの冠があわせて報じられて
結果的に、予算の概算要求に関する記事の多くの部分を占めていたのは、悠仁さまの“冠”についてだった。
来年9月に悠仁さまは18歳となられ、成年式は高校を卒業される’25年春以降に実施されるという。男性皇族の成年式では通例、天皇陛下が冠を授ける「冠を賜(たま)うの儀」や、天皇皇后両陛下の前で冠を着用する「加冠の儀」が行われる。
「そのため概算要求には、冠の制作費257万8千円が盛り込まれました。そして同時に来年度も愛子さまのティアラの制作費は計上されないことも公表されました。
“愛子さまがティアラを作られないのに、悠仁さまは冠を作られるのか”と、違和感を覚えたのか首をひねる記者もいたようです。宮内庁も“成年式のために必要な予算”と説明しています。しかし記者たちの違和感は、各メディアが配信したウェブニュースの見出しにも如実に反映されていたと思います」(前出・皇室担当記者)
ちなみに各社の見出しは《悠仁さま、成年の冠に258万円=愛子さまティアラ費計上せず—宮内庁概算要求》(時事通信)、《愛子さまのティアラ制作費計上せず、悠仁さまの冠制作費は258万円》(テレビ朝日)などといった具合だ。
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう語る。
「女性皇族のティアラは、正装の行事等に出席する際に必要となる宝飾品です。いっぽう男性皇族の冠は、成年の証しとしてその皇族個人が天皇から賜るものですから、お下がりを使うわけにはいきません。
ティアラと冠はその意味合いが違いますので、そもそも比べるものではありません。その点を宮内庁は説明したようですが、ほとんど報道されていません」
それにもかかわらず、ティアラと冠があわせて報じられたのは、宮内庁による説明が不十分だったということなのか、記者たちも秋篠宮家への不信感を強めているためなのか。
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも次のように言う。
「物価高のなか、生活が苦しい国民もおり、そのような状況下で、改修工事や建設工事を続ける秋篠宮ご夫妻への“金銭感覚”に納得できない人も増えているのではないでしょうか。生活が困窮している国民に、もっと寄り添う姿勢を見せることが、秋篠宮家の信用回復のために必要だと思います」
秋篠宮家の金銭感覚への違和感が高まったことで起こった、来年度予算の概算要求への記者たちの猛追及。こうした動きにより、秋篠宮さまや紀子さまのご姿勢に変化は生じるのだろうか。