6月17日、インドネシアへ出発される際に、羽田空港で両陛下と談笑される秋篠宮ご夫妻 /(C)JMPA
蒸し暑いジャワ島中部のジャングルの中に立つ、ユネスコの世界遺産に登録されている石造りの仏教遺跡ボロブドゥール寺院。インドネシアを訪問されていた天皇陛下は、6月22日にこの寺院を視察された。説明役の男性と、丹念に寺院の遺構をご覧になっていたときのことだ。
「男性から、『このニワトリのレリーフは……』と伝えられた陛下は、愛用のカメラですぐさま撮影されていました。
じつはこのレリーフは、ニワトリなど家禽の研究者である秋篠宮さまが、2008年にボロブドゥールを訪問した際に、長い時間をかけて探していたものだったのです。
陛下は、『日本に帰ったら見せます。必ず喜ぶでしょう』と、ほほ笑まれていらっしゃったそうです」(宮内庁関係者)
ご帰国後の6月26日、陛下はご訪問中に国事行為臨時代行をお務めになった秋篠宮さまからご報告を受けられた。
「陛下は参内された秋篠宮さまに写真を手渡され、ご視察のお話を楽しくなさっていたそうです。陛下がわざわざ秋篠宮さまの研究テーマに関連して、ご訪問先など公の場で言及されたことは、最近ではめずらしいことなのです」(皇室担当記者)
眞子さんの結婚騒動や悠仁さまのご進学問題などが報じられるにつれて、一般国民のみならず、学習院卒業生や宮内庁内からも批判の声が上がり、四面楚歌となっている秋篠宮家。
陛下は、こうした現状を打開したいと願われてきた。静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう話す。
「陛下は、皇室の中心である天皇として、どこか一つの宮家に偏ったご対応や、国民の間に広がる見方や議論の一方に加担されることはほとんどありませんでした。陛下が兄として、弟である秋篠宮さまを思いやる優しさやご配慮を強くにじませたことだと思います」
■陛下のお気持ちに雅子さまも呼応され
陛下が即位され、秋篠宮さまが皇嗣となられてから、ご兄弟間のコミュニケーションは乏しくなってしまっていたという。前出の宮内庁関係者はこう明かす。
「ご公務や皇室全体に関わる話をなさる以外、日常的に連絡を取り合われたり、陛下と秋篠宮さまが直接会ってお話しすることは、ほとんどないと聞いております。
かつては、ご兄弟でプライベートな場面で助け合われることはよくありました。たとえば、即位前に続けてこられた中世の牛車についての研究で、陛下は秋篠宮さまに当時の牛について意見を求められたこともありました。
幼いころからともに遊び、学ばれてきた陛下にとって、秋篠宮さまが置かれた昨今の状況には、もどかしいお気持ちを抱かれていたのでしょう。陛下はインドネシアで、あえてレリーフについて言及されたことにより、秋篠宮さまへ“これからはもっと兄弟で対話を”というメッセージを送られたのです」
ご出発時やご帰国時に、羽田空港で両陛下は秋篠宮ご夫妻と楽しげに談笑されていた。
「雅子さまも、陛下が秋篠宮さまとのコミュニケーションを増やされ、手を差し伸べたいお気持ちがあるとご存じのはずです。雅子さまも紀子さまに話しかけられ、ほほ笑ましい場面を積極的に発信しようとなされたのではないでしょうか」
窮地の秋篠宮家を救済されるため、ついに陛下が動かれた――。