11月22日、「文春オンライン」に公職選挙法違反の疑いがあると報じられた岸田文雄首相(65)。
記事によると、昨年10月の衆議院選挙に伴う選挙運動費用収支報告書に、宛名も但し書きも空白の領収書を94枚添付。金額はおよそ計9万5千円分だったといい、目的を記載した領収書を提出するよう定めた公職選挙法に抵触する可能性が報じられた。
報道を受け、24日に自らの言葉で釈明した岸田首相。しかし、その説明が“他人事のよう”だとして批判が相次いでいるのだ。
各メディアによると同日午前、首相官邸で記者団の取材に応じた岸田首相は、「添付書類の記載に一部不十分な点があったことについて、今後このようなことがないように事務所に指示を出したところであります」と説明。選挙運動に関する支出は「適正だった」とした上で、「出納管理者の確認漏れ」だと回答したという。
「同日に岸田事務所が発表したコメントによると、領収書を選挙管理委員会に提出した際、記載漏れを指摘されなかったため『問題なし』と判断したようです。また、但し書きの欄に記載がない領収書は98枚だったと明かしており、収支報告書本体には記載していると釈明しています。今後の対応として、宛名のない領収書に関しては発行者から依頼があれば追記するとしており、発行者に対しても“きちんと書くように”と喚起しています」(全国紙記者)
岸田政権といえば、わずか1カ月以内に閣僚が“辞任ドミノ”となる前代未聞の危機に直面している。20日には“政治とカネ”をめぐる疑惑が発覚した寺田稔元総務相(64)が辞任し、世間を騒がせたばかりだった。
「まず、旧統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)との密接な関係について、野党から追及を受けていた山際大志郎前経済再生担当相(54)が10月24日に辞任しました。そして11月11日には、役職や死刑執行を軽んじるような発言をした葉梨康弘前法相(63)も辞任。表向きは3名それぞれが辞表を提出し受理されていますが、事実上の更迭と言ってよいでしょう」(前出・全国紙記者)
辞任した3名には一貫して、「説明責任を果たしてほしい」と求めていた岸田首相。さらに21日には、「国会開会中に辞任する事態となったことは誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めている」とも記者団に語っていた。
しかし、自らの不祥事に関しては「出納管理者の確認漏れ」「事務所に指示を出した」と釈明。まるで“自らに非はない”と受け取れるような姿勢に、ネット上では厳しい声が相次いでいる。
《完全に他人事》
《空白の領収書なのに、なぜ自分だけは正当だと言い切れるのか? 理解不能です》
《岸田さん、見苦しい言い訳すなよ。他人のせいにすれば済むとでも? 民間企業なら白紙領収書なんて経理から突き返されるで。その前に出さへんけど。どんな神経しとる?》
《『次からちゃんとするように指示した』はぁ? ずいぶんいい加減だなぁ。暗に『私はちっとも悪くない』と言ってるようなもの。一般企業で、90枚以上もこんなデタラメな領収書がでたら、とことん追求され、責任をとらされますよ》
19日、20日に実施されたANNの世論調査では支持率30.5%と、政権発足して以来最も低い数字となった。信頼回復への道のりは、ますます困難を極めそうだ。