「今回の会見はあくまで任意の受け渡しを促すこと、考え直してもらうことが目的でした。反論は出ましたが、考え直してもらえる可能性もあると思いたいので、先方の対応を今は待つつもりです。
ただし、任意の引き渡しが難しい状況ですと、強制執行や刑事告訴も考えざるをえないでしょう。(期限は)1週間単位で、1カ月は待てないと思います」
こう本誌の取材に対して語るのは、福原愛(34)の元夫・江宏傑氏(34)の代理人を務める大渕愛子弁護士。
現在、江氏は福原が日本に連れて行った4歳の長男を引き渡すように求めている。7月27日、東京で行った国際記者会見で江氏は、「福原さんには、裁判所の結果に従ってほしい。子供が無事に戻ってきてほしい。私はあきらめません。一刻も早く息子と会いたい。早く弟を、姉に会わせてあげたい」と涙ながらに語っていたーー。
事の発端は’21年3月に一部で、福原が当時既婚者だった男性との横浜デートを報じられたこと。
同年7月には福原と江氏との離婚が成立した。このとき、現在5歳の長女と4歳の長男の親権は共同親権で合意されており、その後、2人の子供は台湾で江氏とともに暮らしていた。
ところが、’22年7月、台湾の空港で面会後、福原が長男を連れて日本に帰国。当時、江氏が自身のインスタグラムで、“面会交流中にもかかわらず福原と連絡が取れない”と批判したことを受けて、本誌は都内で福原を直撃した。
長男との帰国について尋ねると、「ちょっと何か行き違っているだけで、ちゃんと手続きしています。私が勝手に連れてきたなんてことは、まったくないです」と明言し、さらに、「夏休みの期間だけでもと。8月まで一緒に日本に滞在します」と長男を元夫のもとに返すつもりだと宣言していた。
しかし本誌に笑顔で語っていた釈明は、大嘘だった。
■“保全命令”が出されたわけ
1年が経過した現在もこの事件は解決していない。
「7月20日に東京家裁で、福原さんに“保全命令”が出ました。“保全命令”とは、暫定的な措置を講じる制度で、判決が出るまで一旦すぐに子供を台湾にいる元夫へ引き渡すようにという命令です。
即急に対応しなければ、子供の体が危険な状態にさらされてしまうなどの緊急性が認められた際に出されるものです。
今回のケースでは、福原さんと一緒に長男が他国に出国してしまい、江さんと会えなくなってしまう可能性も考慮して出されたのではないでしょうか」(全国紙記者)
実際、江氏は会見で福原がこの1年間で複数回シンガポールを子連れで訪れていたと語っている。
「今回“保全命令”が出たものの、福原さんから引き渡しに応じるという連絡がなかったため江さんは日本で緊急会見を開くことにしたそうです。会見で大渕弁護士も、『通常の審判に加えて保全の命令も出されました。ただちに子供を引き渡すように保全の命令が出されることは非常に珍しいです』と言って、一刻も早く、長男を引き渡すように求めていました」(前出・全国紙記者)
福原が長男と暮らす大義名分を、国際離婚に詳しいデイライト法律事務所の本村安宏弁護士はこう推察する。
「たいていの場合、弁護士は面会交流の際に約束どおり子供を返さなかったら、大変なことになると伝え、必ず返しましょうと話します。ただ虐待などの事実がある場合は、子供を返さないことについて正当な理由があると評価されることもあります。
福原さんが東京家裁に単独親権になるように、親権者の指定の申し立てをしたと会見で明かされています。
このことから考えるに、福原さん側としては“正当な理由がある”のだと主張しているのではないでしょうか。具体的なことはわかりませんが、子供を返さず留めおいている理由を裁判所に伝えたものの退けられているのでしょう」
会見前日には、自身のSNSで江氏が会見を開くことに強く抗議していた福原。
会見後にも、福原は日本の裁判所の判決について、SNSを通じてこう主張している。
《日本の審判はあくまで一審の裁判であり、事実関係について最終的な判断はされていません。また、主張立証責任の分配の問題があり、司法的に家庭の問題の真実が全て明らかになるわけではありません》
また渦中にある子供のことも心配しているという。
《公衆の面前で国際記者会見を開くことは、高度な紛争を引き起こすだけでなく、意図的に両親と子どもの関係を引き裂き、子どもに悲しい思いをさせ、別離を引き起こすものであり、子どもに対する家庭内暴力の一種です》
■《司法を遵守して早期収束を願っています》
福原の猛反論に対して、江氏側も、声明を発表した。
《日本の裁判所が既に公正な審判を下しました。福原愛さんが日本の司法を尊重遵守し、本件を早期に収束させることを願っています》
双方の主張が激しく対立するなか、江氏の思いとはーー。
「引き離されてしまった長男を取り戻したい一心だそうです。
できれば表沙汰にはしたくなかったそうですが、ほかに方法がなく会見を開くことにしたのだとか」(江氏の知人)
今回の江氏の会見に関して、台湾ではどう捉えられているのだろうか。台湾文化に詳しい、台湾ガイド・通訳手配センター社長の山崎肇さんは言う。
「台湾の世論は、圧倒的に江さんに同情的です。台湾には男の子を特にかわいがる文化があります。そのため江さん側にとっては、いっそう引き渡してほしいという思いが強いのではないでしょうか」
1年間会えていない長男のことを思う江氏。いっぽうで福原の胸中とはーー。
「江さん側の声明に対して、たびたび反論していることからもわかるように、徹底抗戦も辞さない構えだといいます。これまで日本で培ってきた人脈を生かして、芸能界の重鎮に江さんの会見を止めるように相談したそうですが、不発に終わったとか。
また福原さんの代理人弁護士は、国境を越えた子供の連れ去り事例について大変詳しい方だと聞いています」(福原の知人)
会見で大渕弁護士は、状況が改善しない場合は、未成年者誘拐罪での告訴の可能性も示唆していた。
任意の引き渡しが行われない場合、どうなっていくのだろうか。前出の本村弁護士は言う。
「強制執行するにも、母子の居場所がわからない場合は、突き止めることに時間がかかります。居場所は裁判所が探してくれるわけではありませんので、警察に動いてもらうのであれば、刑事告訴が必要となってきます。
一般的に面会交流中の連れ去りは裁判所への印象が悪いです。過去には、面会中に子供を連れ去って返さず、1カ月間子供を自宅に泊めたことで、誘拐罪の判決が出たという事例もあります。
また仮に福原さんが海外に出国してしまった後に、日本で誘拐罪の刑事告訴がなされれば、’23年4月に国際指名手配されたガーシーこと東谷義和氏のように、帰国したところを逮捕されることにもなりかねません」
本誌の取材に大渕弁護士は、「保全命令も認められていますから、いつでもこちらは動けるのですけど、平和に引き渡していただきたい」と切に訴えかけていたが、子供を連れて出国した場合の対処について聞くと、こう明言した。
「そうしたら刑事告訴するしかないですよね。本当に福原さんが何をしたいのかわからないです」
江氏との接触を断って1年、国際指名手配の危機にまで瀕している福原。子供たちのためにも、家族の修羅場が回避されることを願うばかりだ。