オーストラリア西部で10月16日、家族と人里離れたキャンプ場に来ていた4歳のクレオ・スミスちゃんが姿を消した。
国防軍、海洋探索救助隊、漁業関係者、そして多くのボランティアが参加した捜索活動の末、11月3日午前1時過ぎに厳重にロックされた民家からクレオちゃんは救出された。
愛らしいクレオちゃんの無事の帰還に、オーストラリア国内のみならず、世界中が歓喜に沸いている。
ABCオーストラリアの報道によると、失踪前のクレオちゃんが最後に目撃されたのは、10月16日午前1時30分頃。母親のエリーさんに水を飲みたいと言った時だった。その後2人は再度就寝したが、朝目覚めたエリーさんがテント内にクレオちゃんがいないことに気が付き、失踪届を出したという。
クレオちゃんの捜索には、総勢140人を超えるチーム「タスクフォース・ロディア」が結成され、報奨金を掲げて広く情報を募った。防犯カメラやドライブレコーダーの映像、携帯電話の位置情報や目撃者の証言を徹底的に分析した結果、オーストラリア西部にある沿岸の街、カーナヴォンの一軒家が浮上した。
突入した警察が部屋の中で少女を発見し、「生きてる! 元気だ! 笑ってる!」と叫ぶ様子がボディカメラに収められていたという。「名前は?」と訊かれると、少女は「私はクレオ」と答え、現場は喜びに溢れた。
この家に住む36歳の男が逮捕されたが、取り調べは思うように進んでいないようだとINDEPENDENTは伝えている。というのも、逮捕後に自傷行為で二度も病院に搬送されているからだという。
西オーストラリア州警察のロッド・ワイルド刑事部長はNine Radioの取材に対して、「彼のケガは重傷ではありません。治ったらさらに話を聞きたいと思う」とコメント。間もなく起訴される見込みだ。
近所の住民は「彼は普通の人でした。挨拶もしていましたし。でも、最近はいつも急いでいるように見えましたね」とABCオーストラリアの取材に応えて語った。
オーストラリアのスコット・モリソン首相はTwitterに、「なんと素晴らしい救出のニュース。クレオ・スミスが無事に見つかり家に帰ることができました。祈りは聞き届けられたのです。警官の皆さんと、クレオと家族を支えてくれた方々に心からの感謝を」と歓喜のツイートを投稿した。