「お兄ちゃんが大変なんだ! きみを迎えに行くよう親御さんに頼まれた。さあ、車に乗って!」
突然こう言われたら、子どもなら従ってしまうかもしれない。しかし、10歳の少女が機転を利かせて危機を脱し、アメリカで話題となっている。
米アリゾナ州に住むマディソン・レインズちゃんは先週、友人と公園の近くを歩いていた。そこに、白いSUVに乗った見知らぬ男が近づいてきたという。
顔を隠したその男は、マディソンちゃんの兄が大変な事故に遭ってしまったため、家族にきみを迎えに行くよう頼まれた、とマディソンちゃんに声をかけたのだとか。不審に思ったマディソンちゃんは咄嗟に、家族で決めていた”暗号”を男に尋ねた。
答えに窮したその男は、顔を隠したまま猛スピードで走り去っていった。マディソンちゃんは急いで家に帰り、母親に泣きながら電話をかけ、起こったことを伝えたという。母親はすぐ警察に通報し、アリゾナ州ピナル郡警察署はFacebookページにこの事件の詳細を掲載して地域住民に注意を呼びかけた。
情報番組「Good Morning America」の取材に、マディソンちゃんは「怖かったです。本当に兄が事故に遭ったのかもしれない、怪我をしたのかもしれないと思うと、本当に怖くて。暗号を尋ねたとき、男の人は固まってしまっていました。もし、車に乗っていたら、何をされていたかわかりません。本当に恐ろしいです」と語った。
一緒に出演した母親のブレンダさんは、「危険な状況のときのための暗号を家族で決めたのは最近のことなんです。娘は他の子どもたちに、この質問が有効なこと、そして全ての人が友達じゃない、ということを伝えてくれたと思います」と話した。
ピナル郡警察のマーク・ラム保安官は、「この少女の両親が暗号を決めていたことは本当に素晴らしい。彼女の命を救うことになったのですからね」と賞賛のコメントを寄せた。